何でこんな勉強しなきゃいけないんだろう
受験勉強をやり続けていると、「何でこんな勉強しなきゃいけないんだろう」などと思います。
こんな勉強をして、将来役に立つんだろうか?とね。
でも、受験勉強は、将来に役立てるためにやっているわけではありません。
役に立つ知識というのは、一体どれくらいあるのか。2割か3割もあれば十分でしょう。
イタリアの数学者であり経済学者でもあるパレトーは、「パレトーの法則」というものを発見しました。
これは、ヨーロッパ各国の富の8割を、人口の2割の人が占めているという話です。
国民の財産を多い人から並べて累計を取っていくと、上位2割くらいのところで、国富の8割くらいになると言う統計分析結果ですね。
小さい方から並べて偏差を計算するのは、ジニ係数と呼ばれますが、色んな国の富の分布を調べてみても、どうも似たような傾向になると言うことです。
もちろん、国富の9割を人口の1割の人間が所有しているとか、7割を3割で所有しているとか、そう言う風なバランスもあるわけですが、基本的にそう言う風に偏るのが普通だと言うことですね。
それが転じて、「重要なことは全体の二割にある」とか、「売り上げの多数は、少数のお客様が担っている」なんていう風に、様々な分野で活用されています。
マーケティングの世界では、二八(にはち)の法則、とかニッパチなんて呼ばれていますね。
なので受験勉強の全てが役立つと言うことは、まずないでしょう。
役立つ可能性があるからやっている、と言ったところでしょうか。
プロになって食っていくためには、何でこんな勉強しなきゃいけないんだろうと思っているさらに10倍も20倍も勉強しなければなりません。
大学で学ぶだけの学力があるかを問われている
受験勉強の目的は、目の前の入学試験に合格するためです。
ここが分かっているかどうかが、合否の大きな境目です。
勉強したことが将来役に立つかどうかなんて、全然関係ないわけです。
入学試験というのは、大学が「これくらいの学力を持っている人だけ来てください」という「最低限必要な能力」を試す試験であって、それが将来に役立つかどうかなんて、全然関係ないわけです。
少なくとも大学での教育に必要だから、それに応えられるだけの学力を要求しているわけです。
「頑張った」なんてことは、何にも関係ありません。できなければダメなんです。
あなたがモノを買おうとしたとき不良品だったとして、売る人が「頑張ったからそれで勘弁してください」と言えば、買いますか。
となりにちゃんとした品物があるのに、何でワザワザ不良品を買わないといけないといけないのか?
入試試験というのは、「自分がその大学で勉強するだけの能力がある」ということを、ハッキリと示さないといけないわけです。
そして大学には、受け入れ可能な定員というのがありますから、その定員数に入る必要もあります。
ハッキリ言って、受験勉強で勉強したことなんて、社会では滅多に役立ちません。
その程度の「レベルの低い勉強」なんですよ。受験勉強って。
大学に入って勉強すると言うことは、さらに勉強してその道のプロになろうと言うことですから、受験勉強程度で根を上げていたら、どうしようもありません。