量的な勉強と、質的な勉強
勉強には、量的な勉強と、質的な勉強があります。
まず、量的な勉強とは、とにかくたくさんやることで、力を付ける勉強です。
猪突猛進じゃないですが、とにかくガリガリやる。
手元にある問題集をとにかくガリガリやって、そして力を付けていく…そう言う勉強です。
一方質的な勉強とは、まず要(かなめ)になっている部分を重点的にやるという勉強です。
そして身につけた知識を応用することに、重点を置く勉強です。
公式や定理をしっかり覚え、それを展開していくという、そう言う勉強です。
ではこの二つの勉強は、どっちが良いのでしょう?
どちらが大切なのでしょう?
受験生の多くは、恐らく「質的な勉強の方が良い」と思うでしょう。
でも答えはハッキリしています。
量です!
なぜなら質的な勉強は、量的な勉強があるレベルまで達しないと、できないものだからです。
世の中にはどういうわけだか「質的な勉強ができれば、量は要らない」なんて言う人がいます。
もちろん世間は広いですから、そういう便利な、ずるい脳(?)を持った人は存在するでしょう。
でも理論的に言うと、量的な勉強をした後でなければ、質的な勉強には移れません。
質的な勉強をするためには、量的な勉強を行った上で、その中にある共通点を見いださなければならないからです。
勉強というのは、とにかく量
たとえば受験生が今、数学や理科で学んでいる法則は、ほぼ全部、量的な研究の成果です。
山ほどの計算をしてみたり、山ほど実験してみたり、山ほど観察に出かけたり…と、そういう量的な研究を経て、その中に質的な法則を見いだし仮説を立てる。
その仮説が正しい(妥当)かどうかをまた、大勢の人間が山ほど計算したり実験したり観察したりして確かめる…それがつまり『法則』とか『定理』という質的成果を生むわけです。
「質的な勉強だけでいい」というのは、その『法則』や『定理』だけを学んで、それだけで済まそうということなんでしょうが、なかなかそうは問屋が卸しません。
というのも法則や定理を使うのにも、山ほどトレーニングが必要だからです。
たとえば「数学は暗記だ」「青チャートだけで東大に合格できる!」というWさんの本によると、東大を攻略するための時間は1000時間?2000時間もやればよいと言うことです。
2000時間を2年かかってやるとすると、これだけで毎日一日も休まず3時間以上やれと言うことですが、実はこれに加えて合間の時間に『京大式カード』という大判の単語カードを使ってどんどん暗記をするとか、受験生仲間と問題の解き合いをしろとか、山ほど書いてあります。
一日も欠かさず3時間やって、しかもその他の時間も勉強のに関する努力をするわけですから、これが質的な勉強だとは、とても言い難いでしょう。
勉強というのは、とにかく量なのです。
そして集中して量をこなして初めて、質的な勉強というモノができるようになるのです。