一方、人口減少・労働人口減少と高齢化も経済成長には逆風です。

GDP = 一人当たりGDP × 人口

...ですから、人口が減るとGDPは減る方向に進みます。

一人当たりGDPの伸びが、
人口減を大きく上回らない限り経済成長はありません。

現在の日本の実質GDPは、
リーマンショックや震災の年以外は
ずっとプラスで推移しているので、
今のところ一人当たりGDPも増加中です。

日本より早く人口減少が始まっているドイツは、
景気が良いじゃないかという主張もありますが、
実はドイツの一番人口が多い年代層はまだ40代後半です。

40代後半はまだまだ元気で消費も活発だし、
定年退職までまだ15年以上もありますから、
人口減と言っても、労働力人口はさほど減っていない。

一方日本では、団塊の世代が60代前半にさしかかっていて、
どんどん退職していくため、今後は予断を許しません。

労働人口が減れば生産も減りますからGDPを減らします。
ここが日本とドイツの違いです。


※日本の人口ピラミッド
http://populationpyramid.net/ja/%E6%97%A5%E6%9C%AC/

※ドイツの人口ピラミッド
http://populationpyramid.net/ja/%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84/

高齢化もGDPを押し下げますし、デフレ要因にもなります。

というのも年をとると、
食い物にも服にもお金を使わなくなり、
増えるのは医療費だけだったりします。

年をとると、収入がこれから増えるとは考えられないので、
日常的な出費は節約して、お金を持っていても使わないんですね。

30代・40代人口が増えると経済成長が起こるという話は、
以前も書いたと思いますが、日本ではこの年代も少ないため、
経済成長にはマイナスですね。

この人口の変化や年齢構成と経済成長率の関係は、
リフレ論者も知ってるはずなのに、
全く言及しないテーマです。

黒田日銀総裁も、人口減や高齢化は、
リフレ政策とは関係ないという主張のようです。

日銀としては金融政策しかできないので、
考えても仕方が無いのは確かですが。

しかし人口減は消費者の数が減るわけですから、
消費が減ってモノが売れなくなりデフレにつながります。

また定年退職で収入が減る高齢者が、
消費を控えるのは普通の行動ですから、
高齢者人口が増えれば消費は確実に減りデフレになる。

人口減や高齢化が強いデフレ要因なら、
インフレを起こしてもすぐに萎んでしまう。

だってインフレになったら人口が増え、
高齢化が止まるわけではないので。

最後にインフレ誘導は、
何年も続けることができない政策です。

これもリフレ政策に対する批判点です。

2%インフレをずっと続けるためには、
物価を上げ続けなければいけませんが、手段がありません。

国債乱発やばらまき政策で日本円をたたき売りして、
円安に誘導するのにも限界があります。

というのもデフレ懸念が起これば他の先進国も、
通貨安政策に舵を切るはずだからです。


また為替の世界では、
8年が一つのサイクルだと考えられていて、
来年(2015年)の春までに円安はピークを迎え、
円高方向に向かうと考えられていますから、
円安でインフレを維持することも無理でしょう。

リフレ政策の問題点

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

物価を強引に引き上げ続けるリフレ政策は、
反対意見が非常に強い政策です。

前日銀総裁の白川さんも頑なに拒否していた政策です。

というのもインフレを起こせば景気が良くなるというのは、
通常の経済学では荒唐無稽のアイデアですから。

・景気が良くなる→モノがよく売れて供給不足になる→インフレ(ディマンド・プル・インフレ)

あるいは

・人手不足になる→賃金率が上がる
→コストが増えるので販売価格上昇(コスト・プッシュ・インフレ)

...というのが通常コースで、逆は考えにくい。

人為的に無理矢理インフレを作ろうとすると、
投資価値の無いお金のばらまきばかり増えて
ハイパーインフレが起こる可能性だってあります。

またたいていの国はインフレで悩むことはあっても、
デフレで悩むなんて事は、滅多に無かったですし。

ところが日本で93年にバブル崩壊が起こり、
土地神話崩壊による信用収縮が起こり、
デフレが何年も続く事態に陥りました。

そこでリフレ政策の提唱者の
ノーベル賞受賞経済学者のポール・クルーグマンのリフレ案が、
先進国でも注目され始めたわけです。


ところがこのリフレ政策、果たして

バブル崩壊で土地神話が崩壊した日本経済に当てはまるのか?
高齢化と人口が減り始めた日本経済に当てはまるのか?

...ってところが大きな争点です。

まず土地神話の崩壊は、日本経済を根底から覆しました。

というのも土地さえ持っておれば、
とにかく銀行からお金を借りることができたから、
企業は不動産を担保にして借りた金を、
思うままに使って経済活動ができたわけです。

たとえ事業に失敗しても、
土地が値上がりして埋め合わせてくれたし。


しかしバブル崩壊後は、そういうわけにもいかないので、
融資責任を負いたくない銀行員を、
なんとか説得できないとお金は借りれなくなりました。

かわりに増資による資金調達しようにも、
多くの日本企業は銀行借り入れで経営していたので、
他に資金調達の手段がない中小企業で
黒字倒産も相次ぎましたね。


今回のアベノミクス政策では、
REITという不動産開発債権を買い上げることで、
不動産の再開発と不動産価格の維持を図っています。

ただしこれは土地神話の再構築ではなく、
不動産価格の下落を押しとどめる程度のものです。

リフレ政策なら減税なのに、増税オンパレード

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

リフレ政策では、インフレを起こすために、
お金を社会にばらまきます。

そのために公共投資を増やし、同時に減税します

ところが安倍政権では公共投資は増やす一方、
増税のオンパレードです。

消費税率3%アップ以外にも、

所得税増税・住民税増税(給与所得控除額引き下げ)
相続税/株式売却益税/自動車税/固定資産税
贈与税最高税率引き上げ/石油石炭税(ガソリン税)/
社会保障費や診療報酬も引き上げ

...と言う風に、細かな増税を山ほど実施しています。


これらの増税のオンパレードで、
個人の可処分所得を削っているのに、
消費を増やせと言ってもムリ
でしょう。


ただでさえ消費税率アップが
消費を減らすのは見えているんだから、
他で増税すべきではなかったはず。

実際、消費税導入時や5%へ増税したときも、
所得税や住民税は減税措置を執っていましたし。

ところが安倍政権では、円安誘導でインフレを起こした上、
消費税増税のショックをやわらげるどころか、
増税のオンパレードでドンドン税負担を増やしてしまった。

円安でモノの値段は上げる、
税金も増やして可処分所得も減らす。
これで消費が伸びたら、やっぱりおかしい
でしょう。

民主党政権では、インフレはなかったから、
消費税率アップしても影響は限定的だったはずなのに。

※日本の10月の消費者物価上昇率は2.9%
http://ecodb.net/article/-/288.html

※7-9月GDPは2期連続マイナス成長、1.6%減-予想と逆行
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NF075C6K515801.html

アベノミクスの効果で失業率が下がったわけではない

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:


安倍政権に変わってから、
経済で目立って良くなったことと言うのは、

・失業率低下
・賃金率アップ(時給アップ)
・株価上昇

です。


でも実は、これら3つはアベノミクスとは、
直接的には関係ありません。


というのもこれらの動きの多くは、
民主党政権の末期から、
すでに起こっていた現象
だからです。


たとえば、

(1)東日本大震災の復興需要で全国的に人手不足 → 失業率低下 

(2)若年労働人口が減ってキツい仕事に人が来なくなった → 賃金率アップ

(3)アメリカやヨーロッパの企業業績回復による株高
→ドル高・ユーロ高スタート(2012年8月)→円安 → 株価上昇 

さらにリーマンショックで塩漬けになっていた株の含み損が消え、
資産効果が発生して、高いものがよく売れるようになった。

この3つの改善は、インフレになる前の話ですから、
リフレ(アベノミクス?)とは根本的に関係ない
んですね。

ただアベノミクスの成果のように宣伝しているだけで。


だいたいアベノミクス政策の効果が出てくるのは、
実施後、半年以上はかかるはずですから。


で、「黒田バズーカ」による過剰な円安誘導と、
2014年4月の消費税率3%アップで、
無理からインフレを起こしたわけですが、
なんと前年同月比で3%しか物価が上がっていない。

消費税分で2%アップ、
円安政策で2%アップを見込んでいたのに、
3%しか物価が上がっていない。

しかもインフレ率はジワジワ下がっている。

2年前に1ドル80円だったのが、
1年前には1ドル100円になったので、
輸入品は25%も値上がりしているはずなのに。


そして肝心の経済成長率も、
4月-6月はマイナス7%7月-9月でマイナス1.6%(年率)で
2四半期連続でマイナスになるという信じられない数値。

4月までの駆け込み需要の後とは言え、
増税後の落ち込みは限定的だという報道も色々あったのに。

2四半期連続でマイナスというのは、
景気後退のサインとされてますので、
景気回復はどこへ行ったって感じです?


そこで黒田日銀総裁は、つい先日、
第二弾の大幅金融緩和に踏みきり、
円安を1ドル118円までさらに進めましたが、

これ以上の円安が日本経済に何をもたらすのか、
誰にもわからない状態です。

リフレーション政策とは

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

今回(2014年)の解散総選挙は、
アベノミクス経済政策の是非を問うそうですが、
これは以前から書いているとおり、
経済学的にはかなり怪しいものです。

というのも安倍政権がやってる政策は、
2%のインフレに誘導したら、
景気が良くなると言ってやってるだけですから。

公共投資をバンバンやってお金をばらまく。
その資金は日銀による国債買い入れで調達する。

ムダな公共投資を行ったり、株やREIT
(Real Estate Investment Trust 不動産)を買い入れたり。

そうすると通貨(日本円)が市中にあふれるので、
日本円の価値が下がってデフレを脱却。

その結果、景気が良くなる(?????????)。

こういうのを「リフレ(リフレーション政策)」と言いますが、
本当に景気が良くなるかは賛否両論ですし、
随所に矛盾が発生していて、非常に怪しい政策です。

このリフレーション政策というのは、
経済学者のアーヴィング・フィッシャーが元祖だそうですが、
フィッシャーと言えば「異時点の予算制約」が有名でしたね。

異時点の予算制約というのは、
未来の収入を考えてお金の使い道を決めるという式で、

たとえ今お金がなくても、来月お金が入ると思ったら、
借金してでもその分を先に使うっていうやつです。

もっと一般的に言うと、
近い将来に収入が増えると思うから、出費を増やす。
逆に収入が減ると思うと、出費を減らす。

こういう風に人間はお金を使うので、
景気を良くするには将来に対する
「イメージ」が重要だってことです。


借金してでも欲しいモノを手に入れるというと、
お金にだらしない人だけの話のように思いますが、
実は住宅ローンなんかも同じ考えですから
経済に与える影響は予想以上に大きい。

なのでインフレを起こして定着させれば、
値上がりする前に買っておこうという動きが出てくるので、
モノがよく売れて景気が良くなるって事ですね。

消費税増税前にモノを買い込むみたいなことが、
日常的に起こるという感じです。


ただしこれは必需品に関してのみ言えることで、
インフレが起こっても収入が増えなければ、
買うモノは増えるどころか減ります。

というのも必需品が値上がりした分、
他のモノを買う余裕がなくなりますから。

つまり「実質賃金が下がっている」わけで、
これでは景気は良くならない。

ここで矛盾が一つ発生しているわけです。

(1)インフレで物価が上がるので、
   早めにモノを買う(必需品は売れる)→景気が良くなる

(2)インフレで実質賃金が下がるので、
   買うモノの数が減る(嗜好品は売れない)→景気が悪くなる


高いものがよく売れているというニュースもありますが、
これは株価が上がった事による資産効果のせいで、
インフレとはまた別の話でしょうね。

アメリカの最低賃金問題

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

今、アメリカで問題になっている
最低賃金問題関連のビデオです。



アメリカは、貧困者に厳しい国だと思われていますが、
低所得者に対する補助金給付も膨大です。

この膨大な低所得者層への補助金は、
財政をも圧迫しているため、なんとか減らしたい。

そこでやり玉に挙がっているのが、
マクドナルドなどの企業の時給が安いことです。


マクドナルドのようなファストフード店で1日8時間週5日、
フルタイムで働いても生活が成り立たないので、
補助金を申請して受け取っている家庭が非常に多い。

フルタイムで働いていても生活費に困るというのは、
いくら何でもおかしいのではないか、


これはマクドナルドなどの企業が本来支払うべき時給を、
補助金を当てにして、低く保っているからだという
意見が出てきました。

低所得者への補助金を、マクドナルドなどの企業が
詐取しているんじゃないか、って事ですね。


そこで最低賃金を引き上げるように
オバマ政権は勧告を出しているんですが、
この権限は州政府にあって、反対している州も多いんです。

というのも最低賃金を上げすぎると、
せっかく誘致した企業が他の州に逃げる可能性もあります。

それなら職種別に最低賃金を設定すれば
良いじゃないかと言うことになりますが、

同じ飲食業で働くレストランのウエイターなどは、
最低賃金が低くてもチップで生活できるので、
最低賃金が引き上げられると、
かえって仕事先がなくなるんじゃないかと危惧しています。

マクドナルドなどのファストフード店では、
チップは受け取らないので、そこでも差ができています。

▼words ※アクセントは<!>で表示

self-sufficient 自給自足の

food stamps (フードスタンプ)

アメリカの低所得者向けの公的扶助(補助金)で、
食料品を買うことができる金券。

クレジットカードやデビットカードみたいなカードで、
家族一人あたり毎月、約1万円くらいの食料品が買える。

2000年には、2,000万人くらいしか受給者がいなかったが、
今では5,000万人前後の受給者がいるとされる。


▼この記事のデータ

・所要時間:8分56秒
・リスニングの難易度:並


スクリプト&ビデオ


【ユーチューブ】
Life on Minimum Wage

アイコになった後に、何を出すか

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

水曜日のAKB48のじゃんけん大会、面白かったですね。


松井珠理奈が、ずっとパーを出し続けて優勝したので、
またまた八百長疑惑が出てますが、
勝ち残った16人のメンバーを見ると、それはなさそう。

というのも毎日ぐぐたす(グーグルプラス)で
48メンバーの動向を追いかけている私でも、
知ってるメンバーは、たったの6人しかいませんから、
無茶苦茶なメンバー構成ですし。


それにそんなことをしたら 他のメンバーが所属している
芸能事務所から文句が出るでしょうしね。

八百長だとしたら、シナリオが悪すぎるし、
すぐにバレるような方法はとらないでしょう。


たかがジャンケン、されどジャンケン

さて、私が一番面白かったのは、準決勝の

「NMB48えみち 対 AKB48/SKE48大場美奈」戦でした。


かたや、5月に東京ドーム・シティで行われた、
グループ全公演コンサートで唯一チケットが売れ残り、
集客に奔走したチームBIIキャプテンの「えみち」。

一方、エース「ぱるる」がいながらも評判が芳しくなく
去年の夏に解散させられた
旧チーム4のキャプテンだった大場美奈。

「えみち」はNMB48予選から勝ち上がっているので、
ここまで7連勝くらいしてたはずですが、
なんと互いにグーを出し続けて5回連続でアイコ。

3回目くらいからはもう、
どちらが変えてくるかという読み合いです。

最終的には、大場美奈がチョキを出してしまって自滅。

相手がパーを出してくると思ったんでしょうけど、
えみちはグーで押し通して勝ちました。

後から考えると、出すならあそこはパーでしたね。

相手がパーを出してくればアイコですし、
グーのままならば勝てるわけですから、損はありません。

ところが大場美奈はチョキを出して
負けてしまうところが面白い。


タモリも負けた

決勝では、珠理奈がパーで、
えみちがグーを出して珠理奈の勝ち。

これはもう「しようがない」の世界です。

実は去年の決勝も、
チョキを出し続けて勝ち上がった「ぱるる」と
パーを出し続けて勝ち上がった仁藤萌乃の対決でした。

これもやっぱり、仕方がない勝負。


というのも、1対1の武術やスポーツの試合では、

「勝負に行くときは、自分の一番信頼している技で勝負する」
もんなんです。

というのもそれ以外のことをやったら
確実に自滅するし後悔するから。

なので、一手目で勝負がつく場合はもう、仕方がない。

で、さらに興味深かったのが翌日の「笑っていいとも」で、
松井珠理奈が司会のタモリさんとジャンケンをした時のこと。


珠理奈がパーを出し続けて優勝したと分かってるのに、
アイコの連続になりました。

珠理奈はパーを出すことがわかっていたので、
チョキを出せば簡単に勝てるはずなんですが、
お互いにパーを出し合ってアイコの連続。


そして最後はなんと、タモリさんがグーを出して自滅。


準決勝とそっくりな展開でしたが、
ひょうひょうとしたタモリさんですら、チョキが出せない。

「ここでチョキを出したら何を言われるかわからない」

...ということで、チョキを出せない心理状態になって、
最後は負け手であるグーを出してしまったわけです。


このあたり、かなり面白いですね。

特にアイコになった後に、何を出すかって性格が出そうです。

松井珠理奈VS上枝恵美加、勝敗を分けた"経験"と"勘"

東京オリンピックの経済波及効果について、
ウォールストリート・ジャーナルでは、
3兆円でも大きすぎるとしています。

http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887324255404579071801286545402.html

ウォールストリート・ジャーナルは、
アメリカの投資関連情報誌なので、
かなりシビアな見積もりを出していますね。

というのも経済波及効果というのは通常、
「減る分」を計算に入れないので、盛りすぎなんですね。

これでは経済に与える「本当の波及効果」が計算できません。

具体的な例を挙げると、関西では阪神タイガースが優勝したら、
経済効果が500億円になるなんていいます。

これは阪神を応援するための応援グッズが売れたり、
甲子園球場へ応援に行く交通機関の利用客が増えたり、
家で野球中継を見る時に飲むビールの消費量が増えたり、
、、、という風に、増えた出費を積み上げて計算します。

しかし家計収入自体は阪神が勝とうが負けようが、
大して増えないわけですから、
応援のために増やした出費の分だけ、
他の出費を節約しているはずなんです。

となると、経済効果◎◎兆円!!!と言っても純増じゃなく、
実際に出費が増えるのは、その数十分の一程度なんですね。


だからウォールストリート・ジャーナルの記事でも、
オリンピックのための公共投資が増える一方、
それ以外の公共投資が減るので、
純増分はおそらく数千億円規模だと書いていますね。


また新たな投資による波及効果についても、
東京圏は、すでに充分発達した地域ですから、
あまり波及効果もなさそうということになります。

日本経済は、世界第3位の500兆円という規模の経済ですから、
7年間で数千億円の純増では、0.1%にもなりませんしね。


もちろん、気分によって出費が増えると言うことはあります。

というのも人間は、将来の収入見込みによって、
現在の出費を考えるからです。

来月、百万円の収入があるとわかったら、
今月百万円使っても良いかな、と思って使うわけです。

オリンピックで景気が良くなって収入が増えそうだ、と思えば、
出費が増えて景気がさらに良くなると言うことです。

しかし収入が増える見込みがなければ、
出費を増やそうにも出す金がないわけですから、
実際の純増はわずかになる。

ウォールストリート・ジャーナルでは、
そのあたりを計算に入れているわけでしょうね。

東京オリンピックの経済波及効果、150兆円はないやろ

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

大和証券のシニアストラテジスト木野内栄治さんが、
オリンピック開催の経済効果が150兆円にもなるという
試算を発表したようです。


日本経済回復 起爆剤に 波及効果、最大150兆円予想も

「北京五輪の集客効果などを参考にすると、 日本の観光産業も世界水準並みになる」として、 観光業の拡大が牽引(けんいん)役になると指摘。

現在、観光が日本の国内総生産(GDP)に占める比率は
約5%にすぎないが、今後7年間で約10%に倍増して、
95兆円の経済効果を生むと試算した。

さらに道路整備など政府のインフラ投資でも55兆円の
経済効果が出ると分析した。


うーん、さすがにこの試算は、嘘くさいですね。

経済波及効果というのは、
オリンピックがなかった場合と比較したときの増分
(いくら増えるか)なんです。

だから道路整備のインフラ投資といっても、
60年前にできて老朽化した首都高速などの
建て替え投資が主でしょう。


この場合の投資は
オリンピックがなくても発生していますし、
道路が作り替えたからといって、
物流が劇的に変わるわけでもないんです。

多くの会場も既存施設を改築して作るので、
新たな施設の建設もごくわずか。

観光産業の成長にいたっては、
これはもう希望的観測にしか過ぎませんから
「何を夢見とるんやこのオッサンは」レベルです。

同じ記事では、東京都の試算も紹介していますが、
こちらは「約3兆円」という多少堅実な試算です。


東京都は五輪招致決定で13年~20年までの7年間の
国内経済への波及効果について約3兆円と試算。

内訳は都内で約1兆6700億円、その他地域で
約1兆2900億円と算出した。

業種別では飲食店や宿泊、広告などのサービス業が6510億円と
最も波及効果が大きく、建設業の4745億円、
小売業などの商業が2779億円で続く。


こちらの試算内容は、「直接波及効果」で、
2次波及などは入っていませんが、
波及効果の乗数効果は成熟経済では1に近くなるので、
まあ3~5兆円程度って考えるべきでしょう。

となるとGDPに与える影響は、1年あたりたったの0.15%位でしょうか。


日経でも紹介されてますね。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0302Y_T00C13A9GO2000/


一方、ウォールストリート・ジャーナルでは、
3兆円でも大きすぎるとしています。

http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887324255404579071801286545402.html

純増分は数千億円程度で、波及効果も大してないという理由ですね。

イスタンブール、オリンピックにはまだ早かったか

  • 投稿日:
  • by
  • カテゴリ:

2020年の東京オリンピック開催が決まりました。


私は、今回の本命は、近年、経済発展がめざましい
トルコの首都、イスタンブールかと思ってました。


というのも現在のトルコはイスラム国で、
オリンピック開催が決まると
イスラム圏初のオリンピックだからです。


トルコは西側諸国との関係も良好ですし、
民主化に成功したイスラム国ですから、
他のイスラム国に良い影響を与えるという思惑もあり、
多くの国がイスタンブールに
投票してもよい理由がありました。


2位が同数だったため行われた、
東京抜きの投票では多数を集めていましたしね。

しかし近隣国のシリアの2年にわたる内戦や
化学兵器使用問題が発生したり、
トルコ自体も政権に対する不満でストが続いていて、
残念ながらまだ、平和裏にオリンピックを
開催できる状態ではないという判断になったようです。


アメリカやフランスなどの覇権国家は、
地中海沿岸の

ギリシャ→トルコ→シリア→レバノン・ヨルダン
→イスラエル→エジプト 

という陸続きの国々を、西側友好国にして
中東問題の解決を目指しているのでしょうが、
イスラム世界の宗派対立に乗っかる形で、
イランの背後にいるロシアと対立しているので、
膠着状態がまだまだ続きそうです。