ベストセラーに敏感になれ
ベストセラーは、入試問題に大きな影響を与えます。
理由は簡単です。
ベストセラーになるような本は、どこかの部分で、社会や人間の本質に迫っている場合が多いからです。
あるいは、その時代時代の気分に合っていることが多いからです。
たとえば養老孟司先生の『バカの壁』。
「話せばわかる」なんて、嘘っぱちだ。
バカとの間には、越えられない壁がある。
教え子からオウム真理教の殺人医師を出してしまった脳医学者が、考え抜いて達した結論です。
この本が超ベストセラーになったのは、きっと、他人とのコミュニケーションに悩む現代の世相を反映したものでしょう。
「話せばわかる…なんて言うけれど、そんなことなかなかできないよなあ…」
そんな風に考えている多くの人に 「そのとおり!」(児玉清風/博多華丸風)と教えてくれるこの本は、記録的なヒットとなりました。
だからこの本の内容に関連する問題が、去年は多くの大学・高校で出されました。
『バカの壁 入試問題』で検索すると、小論文のテーマとか、討論のテーマなどでよく採用されています。高校入試でも、けっこう出題されています。
もともと養老先生の本は、何が書いてあるのかよくわからないが、何か価値のあることが書いてありそう…というモノが多いので、入試問題では最近よく使われているそうです。
私もかなり前に、文庫を一冊買って読みましたが、
「ああ、改行もほとんどないし、読みにくすぎる」
「著者の価値観がわからないと、意味が全然わからん」
と言う感じで、読むのを諦めました。
他にもやることはたくさんありますからね(^o^)
でも、こういう、
- 多少(あるいはかなり)読みにくくて、
- 著者の価値観が、世間一般の価値観とは異なる
というテキストは、入試問題には最適なんです。
というのも
- 何が書いてあるのか、すぐにはわからない。
- 自分(受験生)の価値観と著者の価値観が食い違っていることに気づかないと、正答にたどりつけない。
からです。
メルマガの方でも紹介したけど、来春の入試で何らかの形で出題される可能性の高い『格差社会』というテーマ。
夏頃には、『ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる』の本を、必読書にオススメしましたが、このテーマは難しいし、まだわかりにくい。
それにWeb進化論は、ネットに興味のある人・ネット利用者に有利で、そうでない人には不利という点もあるので、出題されるなら、格差社会の方だろう。
そういうわけで、受験生がとにかく読んでおくべき本を探していましたが、やっぱりこの『論争 格差社会』が、一番!
必ず読め!