発展途上国が、先進国になれないわけ
発展途上国は、どこかで発展が止まります。
その理由の一つとして考えられているのが、ルイスの罠とよばれる現象です。
経済発展が始まった頃には、都市部の商工業では、周辺の伝統部門(農業や漁業)から安い労働力をたくさん雇うことができます。
その結果、安い商品を大量生産して儲けることができるわけですが、経済発展が進むと、労働力がだんだん不足するようになります。
そうなると給料を上げないと、みんな他へ行ってしまうと言うことになるので、賃金率を上げざるを得ません。
そうなると企業の利益率が下がるので、儲けがでなくなってしまいます。
儲けがでないと新しい投資ができなくなりますから、経済発展は止まります。
その一方で、別の現象も起こってきます。
都市部の労働者の賃金が上がると、農産物の需要が増えます。
なぜかというと、収入が増えると「もっと良いものをたくさん食べたい」と思う人が多いからです。
そうなると農産物価格は上昇するわけですが、古い農業では生産量を急に増やすようなことはできず、それに応じることができません。
で、インフレが起こって、原材料価格も上がって、やっぱり企業の儲けが減って、投資できなくなって経済発展が止まるわけです。
労働力と企業の利益から見た、ルイスの罠
経済発展が始まる
→労働者が足りなくなる
→賃金率が上がる
→企業の儲けが減って投資ができなくなる
→経済発展が止まる
消費から見たルイスの罠
経済発展が始まる
→都市部での消費が増える
→モノやサービスが不足する
→インフレが起こって原材料価格が高くなる
→企業の儲けが減って投資ができなくなる
→経済発展が止まる。
こういう事が起こって、それ以上は発展できなくなるわけです。
勉強でも、やればできるようになるかというと、そうでもないんです。
やってもやっても、ある水準以上は伸びない。そう言うことはよく起こります。
簡単に言うと、同じ所をぐるぐるぐるぐる回っているだけになる場合があるということですね。
たとえばメルマガでは何度も書いていますが、英単語を1900語覚えると言うこと。
たいていの受験生、特に理系の受験生には、これが覚えきれない。
私も結局覚えきれませんでした。
英語で点数を取るためには、1900語必要だと思って、それをやるわけですが、覚えきれない。
その結果、英語の勉強が止まるわけですね。
勉強の罠の例
英語の勉強を始める
→英単語を1900語覚えようとする
→だんだん覚えられなくなる
→英語の勉強が止まる
と言うパターンです。