問題を解くスピードが遅い理由とは?
勉強を教える立場から、一番困るのが「問題を解く速度が遅すぎる人」です。
こういう人は、たった1問を解くのに普通の人の10倍、いや100倍くらい、時間がかかったりします。
普通の人なら5分とか10分で終わるプリントが、2時間も3時間もかかるんですから、普段の勉強ももの凄く能率が悪い。
これは、本当に困りものです。
成績の悪い人は、トレーニングの『絶対量』が必要なのに、それがこういう人は、こなせません。
だからハッキリ言って、こういう人の成績を上げるのは至難の業です。
原因は、色々と考えられます。
(1)素質
まず、素質。
そう言うことに長けている素質と、苦手としている素質があるのは、たくさんの生徒さんを見ていると、実感として理解できます。
足が速い/遅いのと同様、頭の処理速度も速い/遅いが素質としてあるようです。
そしてその中にも、頭の回転が速い/遅い、というのと、計算や読書が速い/遅い、という2種類があるように思います。
これはもう素質ですから、どうしようもありません。ただ、工夫によってそれをカバーすることは、可能でしょう。
(2)インセンティブがない。
次は、やる気。
学力を上げようと言う意識があるかどうか。勉強しようと言う意識があるかどうか。
つまり、勉強するインセンティブ(誘因)があるかどうか。
要するに、勉強することが楽しいことにつながっているか?
あるいは、勉強しなければ、損したりすると言う状況にあるか?
…ということです。
勉強が好きな人は、勉強すること自体が楽しいので、勉強します。
でも勉強が好きでない人は、勉強すること自体が苦痛ですから、何としてもそれから抜けようとします。
小学生なんかは、もうハッキリわかります。
好きな人は嬉々としてやっていますが、嫌々やっている人は、指の皮をむいたり、爪をいじっていたり、枝毛を切っていたり…
だから勉強をちょっとやっては休み、他のことをやってから、またちょっとやる…という感じになります。
完全に「やらされている」という体です。
恐らく、親から「勉強の結果に対する、ごほうび」が、与えられていないのでしょう。
また「勉強結果が悪いときの、ペナルティ」もないのでしょう。
勉強しないから、飯抜き!というようなことをやっている家庭は、最近はあんまりと思います。
勉強しなくても、結果を出さなくても、好きな食事を食べられ、誕生日やクリスマス・お正月には欲しいモノを買ってもらえるなら、子供は勉強しません。
大人になっていくと、勉強しないと収入や待遇に大きな差ができて来ると言うことがわかってきますから、特にインセンティブを用意する必要はありません。
ですが、小中学生の時は、それが必要です。
子供は素直です。インセンティブがなければ、動かないのです。
こういう人は、嫌々やらされているのですから、スピードはもちろん上がりません。