英語は読みにくい言葉。音読しないと覚えられない
日曜日のNHK特集で、学習障害を取り上げていました。
難読症(識字障害、ディスレクシア)についてです。
難読症というのは、文字と意味がつながらない状態で、子どもの時に
- 本や文字に興味がない
- 読み書きに時間がかかる
- 読み書きに間違いが多い
- 読み書きはできるが、算数だけできない
- 計算はできるが、文章題が解けない
- 勉強しているのに、できない
といった兆候・特徴がある状態です。
鏡像文字といって、左右反対に字を書いてしまう場合もありますし、見たこともない字を勝手に作ってしまう人もあります。
英語などでも、bとdを書き間違えてしまう人が、結構いますね。
これは実は結構メジャーな障害(?)で、軽度のモノも含めると人口の6〜10%位の人が難読症だろうと推計されています。
アメリカでは何と15%位の人が難読症なんじゃないかと言うことで、トム・クルーズも難読症だったことを公言しています。
ただ難読症だと考えられている人は、空間認識力が優れている人が多く、エジソンやニコラ・テスラ、ボーアなど、多くの科学者が若い頃、難読症を経験していたらしいと言います。
だから実はこれ、異常というより、人類のバリエーションなんじゃないかと、私は思います。
目の青い人は、世界で考えたら1割程度しかいませんが、これって異常じゃなくてバリエーションですから。
▼参考サイト→学習障害を克服せよ!学習障害は、誰にでもある。
で、難読症の研究でわかったことは、
<人間には、文字を読み書きする能力が元々あるわけではない>
ということです。
人間には、言葉を使う能力があります。これは胎児の時から、左脳の言語野が異常発達することから、わかることです。
ところが文字を認識する専門の箇所はありません。
だから人間は、文字を見て、それを一旦頭の中で音に変換し、それから理解するのだそうです。
つまり文章を読むには、それを音に変換できないとダメなわけです。
が、難読・ディスレクシアの症状を持つ多くの人は、文字を読んでも、この脳の言語野があまり活性化せず、よって文字を読んでも、それが何なのか理解できない、...ということが起こるんだそうです。
この難読症、普通は小学校高学年で発見されます。
ところが日本やイタリアの場合、中学に上がって英語を学び初めてから、障害があることがわかる場合も、多いそうなんです。
というのも日本語やイタリア語は、文字と発音にキッチリ対応関係があるんですね。
日本語の場合は、カナは殆どそのまま音に対応しますし、漢字もカタチ自体に意味があるので、そこから意味を読みとることができます。
だから母国語で学習している間は、学習障害などあるとはわからなかった。
ところが英語を学び始めたら、どうもうまく習得できない。
英語は、スペルと発音の間の対応関係が、結構難しいですからね。
たとえばghは、laughのように「ふ」と読んだり、ghostのように「ご」と読んだりもします。
英語のように、文字と発音との対応関係がキッチリしていないと、音に変換できないので、全然英語がデキナイという状況が出てくるわけです。
日本語やイタリア語など、文字の記述と発音がしっかり対応している言語では、難読症は発見されにくく、英語を学習しだしてそれがわかるんですね。
つまり英語はじつは、「読みにくい言語」だったわけです。
となると、英語が苦手な人には、まず音読できるようになることが、第一関門になります。
人間は音で言葉を理解するので、音にならないと文章は読めない。
だから英文を読むには、まず英文を音に変換できないとダメ。
覚えられない単語や文章は、とにかく音読・音読・音読。英文を音にして理解する。
決して字面で理解することはしないように。読めないモノは覚えられないと、肝に銘じておきましょう。