国立の難関大学に入学するには、二次で記述式の試験を受けねばなりません。
マークシートや番号選択などの選択式の方が採点が楽なのに、大学側が記述式を採用するのは、大学が受験生に「説明能力」を問うているからに他なりません。
この受験生は、問題文の意味がちゃんと読めているのか、そして答えをきちんと筋道立てて説明できるか、そう言う能力を問うているのです。
大学の勉強というのは、簡単に言うと
(1)国内外の文献を読む
(2)仮説を建てて推論や実験で自分の意見をまとめる
(3)自説を論理的に、筋道立てて説明する・書く。
…ということですので、そう言うことをする基礎能力をもっているかどうかを試すために、わざわざ面倒な記述式の試験をするわけです。
ですから、英語でも数学でも、国語や社会でも、理路整然と記述していかねばなりません。
「この人は一体何を言いたいのかな??」と、採点官が首をかしげるような答案は、間違いなく減点されていきます。
また論理の展開が妥当かどうかは、わずか1パラグラフくらいの文章でも十分伝わってしまいますので、違和感があるような文章は、どうしても減点対象です。
そしてもう一つ「下手な字」も、点数を落とす原因になります。
「何を言いたいのかわからない…」どころか、「何が書いてあるのかわからない」では点数になるわけはありません。
自分では読めていても、試験官に読めなければ、点にならないのは当然でしょう。
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●数字は絶対、きれいに書け
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私は塾で小学生から高校生までの勉強をみていますが、読めない字を書いてくる生徒さんが結構います。
たとえば数字一つ取ってみても、9なんだか4なんだか区別が付かないような字を書いてきて「これは9? それとも4?」なんて書いた本人に尋ねてから、マルをつけたりします。
一応「読めない字は点数を上げられないよ…」というのですが、そこは普段からのおつきあいですから、何とか読んでマルをあげます。
でも、受験となるとそうはいきません。採点官は膨大な数の答案を採点しますので、一目で読めないような字で書かれた答案など、さっさと飛ばしてしまいます。
中学受験のための勉強をしていたY君などは、4と9どころか、7と9もどちらがどちらかわからず、いつも「これ、何かな?」と尋ねないと答えが読めませんでした。
記述式で数字が判別しにくいと言うのは、致命的です。4か9か一目で見てわからないような答案だと、せっかく正答にたどり着いても点数になりません。
その生徒さんは、志望している中学の過去問をやってもらっても、ボーダー得点の前後をウロウロしていて、たった一問落とすか取るかで合否が決まってしまう状態でしたので、そんなことで落ちないようにと、何度か数字を書く練習をしてもらいました。が、なかなか直りません。
というのも普段から計算にその文字を使っていて、本人には区別が付いているのですから、数字をきれいに書く必要性を感じていないのです。
試験は記述式と言っても、書くのは殆ど数字だけですので、「書くときだけきれいに書けばいいや」とでも思っていたのでしょう。
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●読みやすい字は、七難隠す
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でも大学の二次は、論理や答えに至るまでの過程も、採点対象です。
物理や化学などは、答えしか書きませんが、数学は計算過程や論理過程がキッチリ採点されます。
京大の答案用紙などは、一冊の本のようになっていて、いちおう解答欄と計算欄に分かれていますが、計算欄に解答を書いてもいいことになっていて、解答用紙本そのままを提出するようになっていますから、ちょっとでも怪しいところがあると、ちゃんと計算したのか確かめられます。
もちろん数学に限らず、英語でも、筋道がきちんと立っていなければなりません。
○○だから、△△である。よって××で、これらの結果より、こうである…という論理の展開も、採点対象なのです。
だから、途中でどこか読めないところでもあると、確実に減点です。論理はちゃんとしていても、読めなかったり意味がわからないところがあれば、どうしようもありません。
逆に読みやすいと、少々難があっても、つまらない減点はされません。
読みやすいと言うことは、筋道がきれいに立っていると言うことでもありますので、たとえ微妙に間違っていたとしても、スルーされる可能性だってあるのです。
『高校数学とっておき勉強法―学校では教えてくれないコツとポイント』(鍵本聡・ブルーバックス)には、第6章に『数学答案の作法』、第7章には『ちょっとした工夫で点を取るコツ』などという、答案の書き方が載っています。
勉強に少し飽きたら、これらを参考にして、読みやすい字、読みやすいレイアウトを普段から心がけましょう。それだけでも全体で、5点や10点は点数が変わってしまうものですから。
そして何もやる気が起きないときには、字の練習でもしておきましょう。
字の練習は、社会人になったあとまで、役に立ちますから。
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