受験勉強の罠
最近、ぷるぷる健康法というのを始めました。
拳を作ってそれを揺することによって身体を立てに振動させるだけという、シンプルな健康法です。
ゆる体操に、「軸タンブリング」と言うのがあって、これも鉛直方向に身体を沈ませて、大地からの反動を感じると言うヤツなんですが、私の場合、これが全然できません。
理由はハッキリしていて、身体がガチガチに固まっているからです。
特に股関節周りがガチガチで、ただ立っているだけで疲れる有様です。
ゆる体操の高岡英夫さんの本には、「錆びた自転車をむりやり漕いで走っている状態」なんていう表現がありますが、まさにそんな状態です。
身体が錆びた自転車のようになっていれば、ただ立っているだけでも疲れます。
体中にコリがあり、そのせいでスッと立てないので、ゆる体操のような、身体を揺するだけの体操も、続きません。
続かないと当然、体操の効果はないですから、結局振り出しに戻ってしまいます。
罠(わな)にかかっていて、身動きがとれない状況ですね。
罠にかかっていると、そこから脱出しない限り、どうしようもないんです。
ルイスの罠
開発経済学でよく知られた現象として、「ルイスの罠」というのがあります。
経済学では、たまに「●●の罠」と言う言葉が出てきますが、これは特定の状況に捉えられてしまい、そこからなかなか抜け出せない状態のことを言います。
ルイスの罠の他にも、「流動性の罠」なんて言うのがあります。
ルイスの罠というのは、途上国の経済発展がなかなか進まない現象です。
途上国では、伝統的部門(古い農業など)から近代的部門(商工業)へ労働者が移動します。
理由は商工業部門の方が、賃金がはるかに高いからです。
経済発展の初期には、近代部門では安い賃金で働いてくれる労働者をたくさん雇うことができます。
というのも伝統部門では、偽装失業というのが発生していて、働き手が余っているんですね。
たとえば農業なら、売り物にならない農産物というのがでるので、それを食べておれば、仕事がなくても大勢の人が生きていけるわけです。
漁業なら、市場に出せない人気のない雑魚を食べておれば、それでたくさんの人が暮らせていけるわけです。
だからみんな働いていると思っているわけですが、ただ稼ぎをみんなで分けているだけで、生産性という観点から見ると一種の失業状態なんです。
だから都市部で商工業が発達し出すと、こういった労働力が、都市部へ移動してくるわけで、都市の商工業部門では安い賃金でたくさんの労働力を得ることができるわけです。
ところが経済発展が進むと、こういう余剰労働力というのが減っていきます。
農村や漁村の偽装失業者が街に出尽くしていなくなるわけですね。
そうなると、都市部の労働賃金率は上昇します。
2010年の春頃に、中国のトヨタやホンダの部品工場でストがありましたが、労働者を雇うには賃金を上げないといけない状況になるわけです。
そうなるとどうなるかというと、企業の儲けが減って、投資ができなくなります。
投資がなくなると、経済発展が止まって、停滞してしまいます。
これがつまり「ルイスの罠」と呼ばれるモノなんですね。
物事は、やればドンドン進むのかというと、そう言うわけじゃないんです。
勉強だって同じで、やればできるようになるかというと、そうでもないんですね。
どこかで罠にはまると、そこから先には進めなくなるんです。