制約があると、成功率が高まる?
甲子園でなぜかて無いのか、それを熟考した智弁和歌山の野球部の監督。
どういうわけか、入部させるのは「1学年10人しか部員を入れない」ことにしました。
こういう制約を作ったことが、なぜ甲子園で勝てることにつながったのか。
制約がないってことは、選択肢が無限にあるって事です。
何でも選択できるわけですから、逆に選びきれないほどあるって事で、部員が百人もいたら、選手個々の能力や性質は読み切れません。
そしてチームの一員として働ける能力があるのかどうかも。
一方、元々生徒数が少なく、必然的に部員数が少ない公立高校の野球部は、必然的にチーム力で勝とうとする。
そこに力のあるピッチャーが入ったとき、強いチームになる。
部員数などの制約がある事が、逆に成功率を高めるわけです。
なぜなら「他に選択肢はほとんど無いから」です。
選択肢がたくさんあると、どれが良いか選ぶのに時間もコストもかかります。
でも制約があるから、限られた選択肢の中から選ぶしかなく、そこで成功するやり方を探すしかないわけです。
部員数が少ないと、部員全体がそう言う認識になりますから、チーム力ができる。
一方、百人も部員がいる場合、
チーム力優先で選手を選ぶのは、なかなか難しい話です。
選ぶときは個々の技量で選ばないと、公平ではない。
そして公平でないと、部員が努力するインセンティブがなくなります。
かといって、技量がすぐれた子供だけを選んでも、チームとして機能しない。「オレが」「オレが」状態になってしまう。
部員は「いかに試合に勝つか」より「いかにレギュラーになるか」に神経を使う事になります。
これではチーム力が要求される全国大会では勝てないって事です。
なのでこの監督さんは、最初に1学年10人という制約を課す事によって、部内での競争より、いかに試合に勝つかという方向に部員の努力を向ける事が可能にしたってわけですね。
部員が「いかにレギュラーになるか」をずっと考えているより「いかに試合に勝つか」を考えているチームの方が、勝機があるのは当然と言えば当然ですね。
制約があるって事は、そんなに悪い事でもないようです。
制約を逆利用せよ
まあもちろん、制約があるから強くなる、、と言うわけではなくて、制約があるために、限られた選択肢の中から手段を選ぶしかない。
そしてそれをチームの全員が理解して、結果に結びつけようとするから強いと言う事ですね。
あれもできる・これもできる、では、手段を選択する必要が出てくるし、そのために色々迷わないといけない。
受験生が、システム英単語にするか、ターゲット1900にするか、それともDuoにするか、、、と迷うようなもんです。
- でも英単語1900コも覚えられんから、合格英単語600に決め!
- CDで耳から覚えたいから、英単語ピーナツに決め!
こっちの方が、良いって言うわけです。