既知のモノと未知のモノを切り分けろ!
いろいろな項目が、おたがいにどんなに関連しているか。
また、わからないことが、わかっていることと、どのように結びついているか。
これをを知ることが、解がどんなものであるかを知り、計画を建てるために必要です。
「既知のもの」というのは、
- 「問題文の中で与えられた情報」
- 「問題文には書かれていないが、知っていて当然である知識」
のことです。
たとえば問題中に、「△ABCはAB=ACである二等辺三角形である。」などと書いてあるのが、問題文中から得られる既知の情報です。
一方「二等辺三角形の底角は等しい、逆に二角が等しい三角形は二等辺三角形である」などという知識(定理)などは、文外の知識です。
いろいろな項目が、おたがいにどんなに関連しているか、また、わからないことが、わかっていることと、どのように結びついているかを知ることが、解がどんなものであるかを知り、計画を建てるために必要である。
(「いかにして問題を解くか」より)
先ほどの例題ですと「円に内接する四角形」が与件なら「対角の和が180°」というのは知っておかなければならない知識ですね(この問題で使えるかどうかは別の話として)。
問題の背景になっている数学現象
そしてもう一方の「未知のもの」というのは、もちろん、問題の答えのことです。
が、その他にも、その問題の背景になっている数学現象なども挙げられます。
入試で出題される問題は、たいてい何かの数学現象から題材を取っていますが、よく出題される一つに「フィボナッチ数列」というのがあります。
フィボナッチ数列というのは簡単な漸化式の数列ですが、偶数項と奇数項で挙動が異なります。
しかも数列の各項の係数は自然数なのに、一般項はなんと<無理数>で記述されるという、不思議な数列です。
さらに隣り合う項の比を無限大に収束させると、なんと正五角形の対角線などに現れる「黄金比」になってしまうというものです。
こういう不思議な現象は面白いし、受験生を惑わすのに格好の題材なので、さまざまな形で出題されます。