中学受験が始まりました。
中学受験は関東では2月1日からスタートしますが、受験生を抱えている塾では大変です。
というのも小学生の場合は、模擬試験で合格確実…なんて評価が出ても、バタバタ落ちるんですね。
最終の模擬テストから実際の受験までは、2ヶ月近くありますから、その間に勢力図がガラッと変わっているのでしょう。
合格確実が出て、一気に勉強をさぼり出す子供と、判定が悪かったので、そこから頑張りだす子供が、入れ替わったりして逆転するんですね。
そしてまた、初日に合格するかどうかで、翌日以降の状態もクルクル変わります。
中学受験の場合は、その日の結果は夕方にはもう結果が出ますので、その結果が翌日の試験に波及するのです。
中学受験というのは、子供よりも親の方がはるかに熱心ですので、落ちていたら必ず態度に出て、それが子供にさらにプレッシャーを与え、結果として動揺してしまうようです。
でもって、何がなんだかわからないウチに試験が終わって、やっぱりダメ。
3日目、4日目くらいになると、もう完全に疲れ切って、投げやりです。
また初日に受かっても、2日目はダメの子供も多い。
関東では、2月2日を結構イイ学校が試験日にしていたりするので、1日目は第二志望で2日目が第一志望という場合もあるんです。
が、1日目に受かってしまうと、もう試験を受けたくない子供が続出。
「もう受かったんだから、いいじゃん」
と言う感じです。
6年生にとって、試験を受けるというのは、相当苦痛のようです。
4年生後半くらいから勉強を始めて丸2年間、夏休みも冬休みも塾で5時間くらい勉強して、さらに家で数時間。
それだけ勉強してきたんだから、3つくらい試験を受けたってどうってことなさそうなんですが、それでも1コ受かったらもう、後はやりたくないらしい。
試験会場というのは緊張感があります。
初めて行く会場で、そこにいるのは違ったメンバー。
目が血走った、顔がこわばったお母さん方も、山ほどいます。
いつも書きますが、受験というのは常にアウェイ(敵地)だから、緊張するなという方が難しい。
そしてその結果次第で、親の雰囲気がクルクル変わる。
親の態度が、それでなくともピリピリしているのに、結果に対して我を忘れて大喜びしたり落胆したり、はしゃいだり泣いたり…
そう言うのを見るのは、子供としてはとても辛い。
「もう1コ受かったんだから、いいじゃん」
という気持ちもよくわかります。
勉強の終わり方
2日目に試験日を設定している人気校というのは、そういう点では、よくしたもので、それでも問題が解ける子供を取っているわけです。
こういう子供は勉強が好きとか、試験が好きという子供だから、無理矢理やらされている子供とは、一線を画します。
何が違うか、一言で言うと「好きだからやる」「できるまでやる」んですよね。
できるまで、勉強をやめない。ゴールは完成なんです。
そう言う子が集まれば、当然いろんな方面で成功する人がたくさん生まれてくるのは当然でしょう。
一方、嫌になる子供のゴールは時刻です。
こういう子供は、「もう時間だから」とかいって中途半端なところでも、さっさと帰ろうとします。
そんでもって何をしているかというと、家でテレビを見たり遊んだりして、その中途半端な勉強も忘れてしまいます。
こういう子供が、中学生になるともう大変です。
終了時間が来るまで、なんとかかんとか我慢していればいい…という悪いクセがついていますから、授業中は話も聞いていないし、とうぜん勉強もしない。
悪い点数をとっても、気にしない。なにしろゴールは終了時刻なんですから、終わりの時刻まで内職するだけ。
「勉強なんか、しなくていい」とか、「勉強なんか、役に立たない」…なんて、お父さんが言ったらもうお終い。それをタテに、頑として勉強しない。
なんのために塾に来ているの? と尋ねても、彼らは目をぱちくり。
彼らにとっては、終了時刻がゴールなんですね。
学校に行って、お終いまで居る。塾に行って、お終いまで居る。
それが彼らに与えられたミッション(指令)であり、ゴール(達成目標)だと理解しているわけです。
そのゴールに向かってちゃんとやっているんですから、そんなことを言われても…、というのが彼らの気分なんでしょう。
そんな彼らでも、ゴールとプライズ(賞品)が明確になると、ビックリするくらい勉強します。
たとえば英検●級に受かったら、何かを買ってもらえるとか、そういうことであれば、もう一心不乱にやってます。
何度も過去問をやって点数計算したり、どうやったら足りない点数を上乗せできるか、訊いてきたり。
『組織の経営学』とか『経験経済学』には、インセンティブ(馬を走らせるエサ)と動機付け、そしてプライズ(賞品)が大事だと言うことが書かれていますが、ゴールとプライズの設定がちゃんとしていると、そんな彼らでも一生懸命勉強するんですね。
ただし、受かって賞品をもらってしまったらもう、また元の状態に戻ってしまうのがトホホなんですが…
まあそういうわけで、ゴールと賞品を明確にして、合格しましょう。
■価格:1,365<円(税込)
■ストロング宮迫/PHP研究所
この本読んで猛省!
帯に「親は絶対に勉強を教えてはいけない」とあり、表紙カバーには「成績がイイ子の親だけが知っている!」とあり、僕も含む世間一般の親の常識の裏が書かれているのだろうと関心を持たずにはいられなかった。帯の反対側には次のようにある;「本書は、子供の成績を上げるために、親がどう変わるべきか?を述べたものです。」本書を実際に読んでみると、こちらの方が内容を的確に示している。
僕なりにこの本の主張を要約すると、
・子供が勉強ができるようになる為には、親が子供の勉強への取り組みに対して、相応の情熱と、時間と、大人としての経験と、子供の悪知恵に負けない大人としての知恵と、子供の話・先生(塾教師も含む)の話から真実を汲み取る耳と、子供をその気にさせる乗せ方と、親自身が子供のやっている勉強を効率良く解けるくらいの根気とを持ちながら、
子供に対処しなければならない、ということ。
・これだけやるだけでもくたくたになるので、親は勉強を教える余力はもう残っていないはず故、あとは塾や学校の先生をうまく使うこと。
自分を顧みるに、小さい頃はどうやって勉強したらいいのか、やり方がわからなかった。僕自身がもう少し聡ければよかったのだろうけれど、残念ながらおっとり型だった為、勉強のできる友達からノウハウを盗む、或いは良い影響を受ける、なんてことに気づかなかった。従ってやり方がわからないままズルズル行ってしまった。考えてみれば「勉強しなさい」と言われても勉強をどうやったらいいのかわからない子供にとっては「泳ぎなさい」と言ってばた足も教えないでいきなり子供を海に置いてきぼりにするのと同じ。なぜ勉強についてだけはステップを踏ませてやり方を学ばせるということをしないのだろうか。
この本には、ただ「勉強しなさい」とだけ言ってあとは全てわが子や塾に責任をなすりつける親への痛烈な批判があり、目から鱗が落ちる内容だった。
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