和文英訳で点を取る
和文英訳が、国公立難関大学への合否を分ける一つの鍵だと以前、書きました。
では、どういう順序で和文英訳を勉強していけばよいでしょう。
私が今、一番いいだろうと思っている順序は、次の通りです。
合格英熟語300の英文を丸覚え
これは英語の学習の一番最初のステップですから、何も和文英訳に限ったステップでもありませんが、ポイントは、和文を見て英文をすぐに思い出せるかどうかです。
和文を見て、英文が思い出せるようになるまで、繰り返し覚えることが大事でしょう。
頻出英語整序問題850(桐原書店)
いきなり和文英訳ってったって、単語も知らないし、ましてやニュアンスなんか分かりません。
だからまず、単語の並べ方から練習しましょう。
そして整序問題が完璧になってきたら、英文の構造に習熟してきたということですので、次に進みます。
英作文のストラテジー
語彙力が多少増えてきたら、英作文用の問題集を始めます。
けれどここでもやることは、英文の丸覚えになります。
この本に載っている150文の英文をしっかり覚えて、使い方を学びます。
大矢英作文講義の実況中継
英作文はかつて「英借文」だと言われました。
つまり、覚えている英文を思い出して、それの単語を入れ替えれば、英作文はできあがり!というわけです。
ところがそれだけでは、さまざまな落とし穴に落ちます。
どういうところで落ちるかと言えば「英借文方式で和文を英訳すると、日本語と英語のニュアンス・ギャップで間違える」わけです。
たとえばこの本の一問目に「もし雨が止んだら…」と言う問題があります。
これを何も考えずに If it stops raining, と訳したら、もうダメです。
というのも、ifというのは「いつかは必ず起こることについては使えない」からです。
プログラミングを勉強したことがある人なら、if …, then 構文というのを知っているでしょう。
if A, then B ならば、Aであった場合のみ、Bという処理を行うと言う意味ですが、Aでない場合があるときしか、ifというのは使えないのです。
この本を読んで、ボクも最初は「ホンマかいな?」と思いました。
でもワードパワー英英和辞典でifを調べてみたら、
「ある物事が起きた場合にのみ(或いは、あることが真実であった場合にのみ)、
別の物事が起こる…という文章で用いる」
と書いてありました。
雨というのはいつかは止むので、だからこの文では、ifは使えません。
when it stops raining が正解です。
でも「もし、雨が降ったら…」という和文なら、If it rains, と言う風にIfが使えるのです。
雨が降るかどうかは、わからない。
まあいつかは降るかも知れないが、もし降ったら…、と言う場合には、ifが使える。
和文英訳というのは、こんな風に、英語を母国語としない我々には、本当に難しいのです。
この本を読んで、英語の基本的な単語の使い方を、まずマスターしましょう。
◆その他:
・最難関大への英作文—書き方のストラテジー
・基礎からの英作文パーフェクト演習
英語の表現の幅を広げていきます。
と、ここまでは誰でもやればやれるはずなのですが、このあとに大きな壁が
立ちはだかります。
その壁とは…
和文和訳の壁
これがクリアできないと、難関国公立の和文英訳や英作文は得点源になりません。できる人とできない人では、30点くらい差がつきます。