数学は、イノベーションのオンパレード
ところが数学ときたら、全く違います。
生徒が分からないと行って持ってくる問題で、
「高校の範囲やったら、簡単に解けるのに」
「三角関数が使えたら、一瞬で解けるのに」
と思うことが、しょっちゅうです。
たとえば場合の数や確率などは、中学でもありますが、コンビネーションを使わずに解いたり、説明するのには、相当骨がいります。
図形の問題でも、三角関数やベクトルの考えを使えば、すぐに答えが出るような問題でも、ああだこうだしながら、『あの定理は使えない、この知識は使えない』と相当苦労します。
たとえば座標上の三角形の一つの頂点が原点にあれば、その三角形の面積は、
S=(1/2)| x1・y2 ? x2・y1 |
と言うのがありますから、それを使えばあっと言う間に計算できます。が、この定理や知識を使わないで解くとなると、かなり時間がかかります。
他の科目のように、研究する対象(小中学校と同じモノ)をより詳しく、より広く、より深く扱うのではなくて、数学では、解く技術自体がどんどん増えるのです。
だから数学に関しては、上位の知識を使えば、下位の問題は簡単に解けます。
図にすると、こういう構図になっているわけです。
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┃ 大学の数学の知識 ┃
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↓簡単に解ける
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┃ 高校の数学の問題 ┃
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┃ 高校の数学の知識 ┃
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↓簡単に解ける
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┃ 中学の数学の問題 ┃
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こうなると難関大学の入試で数学を得点源にするには、大学で学ぶ数学レベルの知識がないとダメだというのが、わかるでしょう?
そしてそのための勉強が、途方もなく時間を喰うと言うことも。
だから数学に勉強時間を使いすぎて、英語や理社の勉強時間が足りないと、入試では失敗するのです。
入試のための勉強の優先順位は、だから一に英語、次に理社国、最後に数学です。
※もちろん、数学の勉強を後回しにするというのではなく、やりすぎないと言う意味で。