「決定問題」と「証明問題」
数学の問題には、「決定問題」と「証明問題」の二つがあります。
「○○の条件を満たすものを決定せよ」というのが決定問題で、「○○を示せ、証明せよ」というのが証明問題です。
この二つは、求められているものが違うので、気をつけなければなりません。
まず決定問題では、与えられた条件に適合する数値なり数式なりを、決定することが求められます。
つまり「aを満たす数値を求めよ」「このベクトルをOAとOBであらわせ」「この曲線の方程式を求めよ」「面積/体積を求めよ」というようなタイプの問題が、決定問題です。
決定問題では、まず答えが合っていなければなりません。条件に適合する値を決定する問題ですから、それは当然です。マークシート問題など、答えしか書きませんから、答えが合っていなければ一点にもなりません。
そして次に、導出過程が妥当なものでなければなりません。
記述式の答案では、「なぜこういう答えになったか」という過程が採点の対象になります。
答えだけが合っていても、もしかしたらカンニングして隣の受験生の答えを写しただけかも知れません。だから、導出過程をしっかり記述する必要があります。
記述式では、もし答えが誤りであったしても、導出過程が正しければ部分点が与えられます。
富士山の頂上にたどり着くのが満点だとしたら、3合目まで上っていれば5点、5合目まできていれば10点、8合目まで着ていれば20点…という風な感じです。
だから3合目、5合目、8合目の各地点に到達したことを、答案にハッキリ示しておく必要があります。採点者がそれを解読する必要があるような、難解な答案を書いてはいけません。
一方、証明問題では、証明すべき命題が示されていて、それを説明することが求められます。
受験生は、与えられた命題を高校などで学んだ(はず)の知識によって解読し、それをうまく順序立てて説明しなければなりません。高校までに習ったはずの定理などをしっかり理解しているか、そしてそれを用いて数学パズルを解く能力があるか、さらにそれを他人に説明する能力があるか、を問うているわけです。
何を問われているのかを、しっかり意識しましょう。