高い目標がないと、努力はなくなる
上達しようという意識がなければ、上達しない。
これは、トッププレイヤーでも同じようです。
たとえばあのイチローですら、今年も200本しかヒットを打てなかった。
もちろん、打率4割にも到達していません。
理由は簡単です。
シーズン初めに全然打てなかった。
シーズン初めに打てなければ、250本なんて到達できませんし、4割も難しい。
例年、シーズン初めの4月5月は打率が低いイチローですが、ところが本人は毎年、それを気にしていないようなコメントをしていて、私は以前から、それが気になっていました。
だって本人がもし、「今年は250本、ヒットを打ってやろう!」
「今年は4割売ってやろう!」
と思っていたなら、そういうコメントは出ないはずだからです。
つまり「200本でいいや」と本人が思っているからこそ、シーズン初めの不調が気にならないってコトでしょう。
また最近は、首脳陣批判も多いイチローですが、チームを本当に優勝させようと本当に思っていたなら、シーズン初めは打てなくても良いという考えなど、出ないはずです。
これはつまり「自分は200本、ヒットを打っているからOK」と、本人が思っているってことでしょう。
「自分はちゃんとやっている。
あとはオマエらの責任だ」と考えているからこそ、首脳陣批判が出てくるわけです。
何をゴールにするか、が結果に大きく影響する
これは今年13ゲーム差をひっくり返されて優勝を逃した阪神の金本選手の言動と比べれば、明らかです。
金本選手は、監督批判などしていません。
優勝を左右する試合で、チャンスで打てなかった、勝てるはずの試合を、しっかり勝てなかった、これを悔いています。
「首位にいるのは、俺たちが強いんじゃない」。
シーズン中から何度も、そう言う発言が報道されていました。
優勝することをゴールに設定しているからこそ、そして「勝つのは選手の力だ」と考えているからこそ、そういう発言になるわけです。
監督に優勝させてもらうつもりなど、初めっからない。
レギュラーの中心選手だったら、当然の考えです。
イチローがもし本当にチームの優勝を目指しているのなら、200本安打は全く価値のない結果ですし、シーズン初めの不調も大問題でしょう。
1番という打順でも、あと100コ出塁を増やせたら、得点チャンスが増えてチームの勝率も上がるはずなんですから。
結局、何をゴールにするか、が結果に大きく影響するんです。
そこでもう努力の方向や量というのは、決まってしまうんです。
箸は毎日使っているけど、使い方は上達しない。
自分にOKを出してしまっては、そこで終わりです。