数学は、多くの学問が必要としている基盤科目
大学では、数学の価値を認めています。
「最近の学生は、数学の学力が落ちて、下手をすると分数から教えなければならない」
なんて大学教授が嘆いているわけですから、数学の必要性を大学の教官はヒシヒシと感じています。
それもそのはずで、大学のたいていの学部では、多かれ少なかれ数学的表現というのを利用しているのです。
理系の学部では、たいてい数学をつかった理論モデルを作り、それが妥当かどうかを検討します。
だから大学にはいるとすぐに、基礎解析(微積分学)、代数幾何(ベクトル、行列、線型代数)などの講義をどんどん進めていきます。
物理系の学科では、いきなりベクトルの微積分を学びます。
ラグランジュの運動方程式や、ストークスの定理(二重積分と三重積分)などが出てきますし、一月も立たないうちに、何が何だかよくわからない状態に陥ります。
微分方程式なんて、当たり前のように使われて話がどんどん進みます。
運動方程式というのは、実は微分方程式だから、それは当たり前なのですが、学生がついてこようとついてこれなかろうと、とにかくどんどん進めます。
私など、最初の学生時代など、もう目が点でした。
なにせベクトルでも行列でもいきなりn次元のベクトルですし、n×n行列の話ですから。
そして実は化学系でも、理論は全て微積分などの数学的表現を使います。
物理の教科書ほどではないが、数式が山ほど登場します。
また文系の学部でも、経済学部などは数学的な理論モデルを展開するので、数学は必須です。
その他の学部でも、統計処理などには数学が使われるますし、その有効性や限界性を考える際には、数学的センスが多少なりとも必要なのです。
だから大学は、数学ができる人を…少なくとも数学に真剣に取り組んだ人間を、取りたいわけです。
大学の講義というのは、そういう知識があるものとして組み立てられているのですから、それは当然の話です。
ですから、いい大学に入りたい人は、そのための手段として、数学を学ぶ必要を感じるチャンスがあります。
理系の人は、自分の進みたい分野に必要ですから、その点で必要性を感じて勉強する意欲とすることができます。