運動方程式が分からなかった
私は高校生時代、物理がよくわかりませんでした。
どういう風にわからなかったかというと、公式は知っているけれど「何でそうなるのか」というのが腑に落ちなかったからです。
たとえば物理の核心である、ニュートンの運動方程式。
F=mα
(※最近は高校でも、大学の物理と同様、mα=Fと表記します)
これは(力の大きさ)が(物体の質量)×(物体の加速度)に等しい、ということです。
しかし実は、その意味が全然よくわかっていませんでした。
だから、F1+F2−mα=0なんて言う式を、平気で書いていました。
ひどいときには、F1+F2−mα=Mβ+F3なんていう式なども書いていたように思います。
要するに、中学の力学の延長で「力の釣り合い」として、運動方程式を捉えていたんですね。
ですから、単純な力学の問題は解けていましたが、複合的な問題となると、全然ダメ。
英文和訳のように、単語の知識をつぎはぎしてこじつけて解いていたんです。
ところがこれではダメなんですね。
運動方程式は釣り合いの式じゃなくて、等式の一方が物質の質量と運動、もう一方がその物体に働いている力として、ハッキリ意識しないといけない。
運動方程式というのは、
(ある物体に働く力の総計)=(その物体の質量)×(その物体の加速度)
であり、その物体に働く力を全て書き出したら、他はもう考えなくてもよいのです。
が、その辺のところが、私にはどうしてもよくわからなかったのでした。
それが大阪のY予備校で『難問題の系統とそのとき方』という超ロングセラーの著者である、服部先生の講義を聴いて、やっと「ああ何だ、そうか」とわかったのです。
★ はたらく力を全て書き出したら、後は考えなくていい ★
たったそれだけのことですが、私にとっては驚天動地のことでした。
そして力学の殆ど全部で運動方程式が関わっており、何でもかんでも運動方程式で解くのだと知って、やっと目が開いたのです。