仮面浪人は、やめておいた方が身のため
大学に行きながら、別の大学、あるいは別の学科を目指して勉強する。
いわゆる「仮面浪人」も、やめておいた方が身のためです。
もちろん仮面浪人して、次の年に志望の大学に合格するような人も確かにいます。
実際、わたしの知り合いにも、そうして別の学科、別の大学に入り直したヤツが2人ほどいました。
しかしそれは、親の手厚い支援があってこその話です。
そうでなければ、そう簡単にうまくはいきません。
というのも実は私も「仮面浪人」でしたし、『貧乏人の正体』で書いたアマダ君も「仮面浪人」でしたが、結局うまくいきませんでしたから。
仮面浪人というのは、ただの浪人より経済的にも時間的にも、厳しいです。
ただの浪人なら、24時間を自分の好きなように使えますが、大学に通っておれば、そうも行きません。
経済的にも、高価な教科書を買いつつ、受験参考書を買ったりしなければなりません。
おまけに一応大学生ですから、気も緩んでいます。
何が何でも合格しなくてはいけない!と言うわけではないので、ついつい勉強が甘くなってしまうのです。
私なんぞも、再受験に失敗しても京大生でしたから、あと少しの踏ん張りがききませんでした。
そうやって何年もだらだら過ごし、結局そのままになってしまうわけです。
それでも大学を卒業できるなら、まだまし。
私のように、全然興味のない学科に進んでしまうと、もうどうしようもありません。
興味が元々無い上に、その興味のない勉強をするために、自分で学費や生活費も稼がないといけない。
どう考えたって、無茶苦茶です。
おかげで私は、今で言う『パニック症候群』のような状態に
なってしまいました。
だから、仮面浪人しながら別の学科や別の大学を目指すのは、お薦めしません。
学費も生活費も親が面倒を見てくれて、しかも再受験にも理解がある。
そういう場合なら、可能性はありますが、でも難しい。
安易に進学せずに、もう一年浪人した方が、おそらくは合格可能性が高いと思います。
妥協するなら、一年先に妥協したほうがいいでしょう。
努力できるだけ努力して、それでダメだったらあきらめもつきます。
くれぐれも、中途半端な気持ちで進学しない方が、身のためですよ。
大学は、中学や高校とは違うんですから。