予備校のメリット・デメリット
掲示板のほうに書き込みがありましたので、紹介します。
地方の国立を蹴って、東大を目指し始めたものなんですが、予備校は夕方まで授業ですよね?!
自学を中心に予備校はペースメーカーに使いたいと思っているんですが、何かいい方法はありませんか?
25年ほど前ですが、私も予備校に1年間通いました。
大阪のYMCA予備校と言うところでしたが、物理の参考書のロングセラー『難問題の系統と解き方』の著者である、服部嗣雄先生がおられるところでした。
今や受験勉強のカリスマと化したWさんの本の中にも、服部先生の講義で物理がわかった… というくだりがありますが、私もそんな一人でした。
服部先生は、俳優の生瀬勝久さんのような口調で、
「こんな問題、アホでも解けますよ〜!」
「京大の物理なんか、満点取れる問題ですよ〜!」
というのが口癖で、おかげで私も、物理は満点近く取れた記憶があります。
講義の途中には、ボーアの話をしたり、ニュートンの話をしたり、京大の話をしたり…。
生徒の背中を押すのがお上手な先生でした。
服部先生のおかげで、私も京大を目指した、というのもあながちウソではありません。
当時は、『難問題の系統と解き方』の数学2B版の著者であった森先生もYMCA予備校で教えていらっしゃって、この二人の先生の講義のおかげで、私は本当の意味で、物理と数学が勉強できたように思います。
高校で習った授業の100倍くらい本質的な講義でした。
だから「予備校なんて、行っても意味がない」という人もいますが、予備校へ行って化ける受験生もたくさんいます。
私など、京大に毎年2〜3人しか卒業生を送り出していない高校で、真ん中よりやや上くらいの成績しかとったことのない人間だったのに、一浪して、京大の工学部の隅くらいには受かるくらいになったのですから。
だから、通学圏内の予備校で、わかりやすい参考書を出版されている先生が講義していらっしゃるようなところに通えるのであれば、絶対にそこに行った方がいい。
そこへ行けば、その科目だけでも実力アップが望めるはずですから。
予備校で学べること
予備校に行くメリットは色々ありますが、勉強に関しては、有能な講師から直接、問題などを解くノウハウが得られると言うことです。
進学校といえども、普通の進学校のレベルでは、なかなか素晴らしい授業と言うのには、出会えません。
高校の授業というのは、新しい単元を初めて紹介しつつ、基本 → 基礎 → 応用…という風に進めざるを得ませんから、どうしても中途半端になってしまいがちです。
大学受験にピントを合わせたくても、指導要領という枠がありますから、大学受験に関係ない科目や単元の授業も、行わなければなりません。
体育・芸術・技術家庭… 専門大学に行く人以外は、大学受験とあまり関係ない科目も履修しつつ、大学合格のための学力を構築しなければならない…、これでは効率的な受験勉強にはなりにくい。
しかも学校の先生というのは、必ずしも難関大学を出た人ではありませんから、変な話、ムダな勉強法を、強制される場合だってあります。
辞書を引け! 単語を1900個覚えろ! 英語の構文を150覚えろ! 英文法の本も読め! 英語のCDを聞け! 熟語も覚えろ!
… 言ってることは、間違っていないですが、私に言わせれば、
- <優先順位が、無茶苦茶や!>
- <生徒に負荷が、かかりすぎ!>
なんです。
この辺の順序は、私のe-bookで詳しく紹介していますが、とにかく、普通の高校では、教え方も型破りな教え方はできませんし、受験を意識した指導も、なかなかできないのです。
その点、予備校なら、受験に役立つことなら何だってやっていい。
教え方も、学力を上げられるなら、何だっていい。
教える方も、成績が悪ければもうクビですから、ものすごく努力していらっしゃる。
超進学校とか、地域トップの高校でなければ、こういうレベルの授業はなかなか受けられません。
以前にも書きましたが、『できるヤツ』になるためには、こういう『できる先生の真似をする』ことが一番です。
できる人がどうやって、問題を解いているか。
それを垣間見ることが、自分の学力を上げるヒントになります。
できる人だって、解法の糸口を見つけるまでは、いろいろ思いついたことを試してみたり、アタリをとってみたり、検算をしてみたり…と、正着にたどり着くまでウロウロしているのです。
そういう手順だとか、呼吸だとか、それを知ることが、近道です。
予備校と言うところは、そういうことを学びに行くところです。