やる気が出る条件/中学受験と大学受験の違い
中学受験と大学受験では、根本的に違う。
同じ受験だから、テストで点数を取らなきゃいけないっていうところは同じなんだけど、必然性とか緊急性が、全然違うんだね。
中学受験というのは、小学生が受けるわけで、変な話、落ちても行く中学はあるわけ。
もちろん、子供自体に行きたい学校があったり、行きたい理由がある場合は、大学受験と同じになる。
だけど、そうでない場合は、中学受験しなければならない理由は弱い。
高校受験や大学受験の場合は、少なくとも1つ、どこかに受からないと行く学校はなくなってしまうけれど、全滅でもいいわけ。
そうなると、親の意向で中学受験している生徒の成績を上げるのは、無茶苦茶難しい。
だって、本人はどうでもいいわけだから。
少し前にも書いたけど、やる気って言うのは、出る条件がある。
やる気って言うのは、脳がドーパミンとノルアドレナリンという物質を放出してくれないと出ないんだけれど、
『一瞬で「やる気」が出る脳のつくり方』(佐々木正悟)という本によると、脳がやる気を出してくれる条件には4つあって、
それは
- 1.今がんばれば、近い将来に実感できる見返りがある場合(報酬性)
- 2.やらないと、ばくぜんとした不安がある場合。(不安)
- 3.今がんばらないと、危険が迫っている場合(緊急性)
- 4.やることによって、ほめられる場合(社会的賞賛)
…ってことだ。
つまり、
- 1.やればすぐに<ごほうび>がある
- 2.やらないと不安
- 3.やらないと危険
- 4.やるとほめられる
ってことだ。
ただ、本人が望まずに中学受験をさせられるような場合は、これのどれにも当てはまらない。
せいぜいあるとしても、4番くらいかな。
勉強して、『わかるとうれしい』っていう感覚があると、1番が働いて勉強できるんだけど、そうでないと難しい。
あるいは、できないとカッコ悪いとか、できないと将来が不安…ていうのが、あればいいんだけど、おこづかいをたくさんもらっていて、毎日好きなものを食べているような子供だと、そういうのもダメ。
変な話、<いじめから逃れたい>とか、<嫌なヤツと同じ中学に行きたくない>という動機の方がまだましだ。
こういう動機で中学受験する子供も結構いるようだけど、そんな消極的な動機でも、2番とか3番の要因が働くので、勉強する気が起こる。
やる気がない生徒を教えるのって言うのは、本当にもう大変だ。
大学合格を目指すのなら、自分のやる気がどこからきているのか、ちょっと考えてみるのもいいかも知れないね。