生物の科目は、確実に点数を取るのが難しい。
京大医学部の受験生が、生物の試験を避ける理由は、点数が取りにくいからでした。
物理や化学であれば、そんなに毎年毎年新しい現象が見つかるわけではない。
新しい現象や法則が見つかったとしても、高校の範囲では扱えない。
そのため、物理や化学で出題される問題の範囲は、例年余り変わらない。
要するに似たような問題が、多少、形を変えて出題されてくるわけですね。
ところが生物学となると、問題の背景となる生物現象はものすごくたくさんあるので、いくらでも変わった問題が作れる。
以前、センター地理で、他の科目と平均点を揃えるために、2割くらいかなり難しい問題を混ぜているという話を書きましたが、生物もそう言う傾向があって、そこそこの点数は取りやすいが、満点を取るのはかなり難しくなっているのです。
そうなると、どうでしょう。
医学部の受験生にとって、生物でちょっとヘンな問題を出されて70点くらいしかとれなかったら、物理で85点取った人に負けてしまうということになってしまうのです。
他の学部でしたら、70点もとれば十分合格圏内ですが、医学部ではボーダー以下になってしまいます。だからみんな物理を選択するわけです。
確実に点数が取れるのは、物理と化学
理系の2次試験で、取れるおおよその点数を計算できるのは、理科、特に物理と化学だけなのです。
英語や数学は、誰でも絶対に苦手な分野ができますから、その分野のちょっとややこしい問題が出れば、大幅に得点減になる可能性があります。
しかし物理や化学は出題される範囲がかなり狭いので、勉強すれば取れる得点は計算に入れることが出来ます。
たとえば力学が得意な人は、力学の問題は必ず取れます。融合問題でも、力学さえわかればあとはさほど難しくはありません。
そして化学でも、酸化還元反応や有機化学が得意な人間は、その分野の問題でちゃんと点数が取れます。
なぜなら必要な知識が限られていて、どう解けばよいかという解法パターンが全部決まっているからです。
力学なら、物体に働く力を全て書き出して、運動方程式を立てるだけです。
難しいのは運動方程式の立て方だけで、それから後は計算だけです。
また酸化剤・還元剤なら、物質とその反応式の両方を覚えても20くらいしかありませんから、すぐに覚えられますし、有機化学も物質の構造式や示性式とその反応さえ覚えれば、やることはワンパターンです。
それ以外の問題なんて、出ません。だから確実に点になるのです。
英語と数学が大事だと言っても、勉強する割には点数になりません。
やってもやってもなかなか点数は上がりません。が、理科は違います。
難関大学に合格するにはだから、理科で確実に点数を取ることが必須なのです。
理科で確実に点数が取れるのなら、数学で1問足らなくても大丈夫。
英数と理科の勉強の比率を、少し見直してみましょう。