目標を達成できる人・できない人
相変わらず暑いね、ミキちゃん
「あずい〜〜」
勉強は予定通り行ってる?
「いってない〜」
ダメじゃないか、目標立てたんだろ?
「だって、あずいんだもん〜」
ミキちゃんの目標って、何だっけ?
「イイ大学行って、いい男見つける〜」
そのために、今何しないといけないんだっけ?
「センター試験対策のかんせ〜」
具体的には?
「過去問で、英数で8割、他で7割くらいの点数を取る〜」
で、実際は?
「数学はOK、英語は7割、他は6割くらい」
ダメじゃないか!
目標を立てたなら、いつどこで何をすればいいか、細かくやるべきコトが分かってるはずでしょ?
それを一つ一つやっていかないと。
「でも、そ〜いうの、苦手なんだよね〜ウチ」
苦手?
「なんていうか、勉強やって、過去問やって、点数が取れるとうれしいんだけど〜、目標達成しても、あんまうれしくない」
うれしくない?
「なんかそ〜言うのって、ウチらしくない。友達で、目標決めて、それに向かって頑張るってコもいるけど〜、ウチそういうの苦手…」
う〜ん…
ビジョン型と価値観型
もしかしてミキちゃんって、<ビジョン型>じゃなくて、<価値観型>なのかな?
「なにそれ?」
達成目標を決めて、それを達成するためにやるべきことを細かく分けて、それを一つずつ達成していくっていうやり方を<ビジョン型>っていうんだ。
こういう人は、細かな達成目標をクリアするたびに、ゴールに近づいているって言うのが実感できて、喜びを感じるんだそうだ。
でも世の中、そう言う人ばっかりじゃないよね。
目標立てて、それに向かっていく人って、どちらかというと実は少数派だよね。
世の中のほとんどの人は、夢や目標は持っていても実際は目の前にある作業を、ただやっているだけだ。
だけどそんな中にも、一流の人って言うのはたくさんいる。
たとえば武術研究家で有名な、甲野善紀さん。
最近は介護師の身体の使い方とか、スポーツ選手へのアドバイスでよくテレビに出ている。
今パイレーツで頑張っている巨人の元エース桑田投手なんかもお弟子さんの1人だ。他にも山ほどお弟子さんはいる。
でも甲野さんって言うのは、武術家としては強そうじゃない。お弟子さんも、武術以外の人が多いから、だからあの人は武術家じゃないっていう人もいる。
それもそのはずで、甲野さんってひとは、元々は合気道の修行をしていたそうだけど、江戸時代の武術家の技を再現することにしか興味がなくって、やめてしまったらしい。
江戸時代の剣豪小説や伝書などに出てくる技を、自分で再現してみようと思って道場を作り、稽古をしているだけだ。
で、今日はこれができた、今日はこういう新しい動きを見つけた…って、自分の中にある価値観を追求してきた結果、なんかえらく注目されるような立場になっちゃった。
まあ、センセーは高岡英夫さんとか甲野善紀さんの本は20年くらい前から読んでるから、目新しい感じはしてないけど
まあそういうわけで、こういう風に自分の価値観を追求して、一流になるタイプの人を<価値観型>って呼んで、<ビジョン型>と区別する。ヤンキースの松井選手も、こっちのタイプらしいね。
好きこそものの上手なれ…ということだね。
こういう人には、目標を細かく立てて、それを一つ一つ達成していくって言うやり方は、性格的に合わないかも知れないから、違うやり方を見つけるしかないかもね。
ミキちゃんも、自分がどういうコトに喜びを感じるか、ちょっと考えてみて。
この本が参考になるよ↓