発明家と、ロイヤリティ契約

発明家と、ロイヤリティ契約

発明家とスーパーのチェーンのモデル

 発明家の発明品をスーパーに託す。

 

 このとき、その商品の製作・販売のリスクは、契約を結んだスーパーが負うのが妥当である。

 

 と言うのも普通、発明家とスーパーのチェーンでは後者の方がリスク負担の能力(リスク受容能)がはるかに大きいからである。

 

 だから発明家はその商品の製作販売の権利を、全てスーパーのチェーンに売り渡すのが効率的になる。

 

 だがしかし、発明家よりスーパーのチェーンの方がお客さんの選好を知っている場合が多い。

 

 そのため「逆選択」が起こる。

 

「この発明品は、あまり売れそうにないので、買い取らない」と言うことになれば、発明家の手元には一銭も入ってこない。

 

 こういう「逆選択」が起こると仕方がないから、発明家はその商品の販売・売上高の数%に当たる金額をロイヤルティとして受け取るという契約を結ぶことになる。

 

 つまり発明品がヒットしてたくさん売れれば発明家の投入費用は回収できるし、利潤も受け取れる。

 

 しかし逆にあまり売れなければ、それはパアになる。

 

 スーパーのチェーンとしてもリスクを負って高い金でその発明品を買わなくても済むわけだから、製作・販売のハードルはかなり低くなる。


ロイヤルティ契約の問題点

 だがこのロイヤルティ契約にも問題点がある。

 

 というのもこれでは発明家のリスク負担は大きくなるし、スーパーも利潤が少なくなるのであまり販売促進に資源を投入するインセンティブが小さくなるからである。

 

 そしてまたもし「利潤の何%かをロイヤルティとして受け取る」というオプション(選択肢)を選択してスーパーの販売インセンティブを高めるとしても、会計操作によってスーパーが発明家に過小なロイヤルティしか支払わないだろうことは想像に難くない。

 

(この辺がつまりモラルハザードなわけですね) これはもう、半分信頼して諦めるしかないかもしれない。

 

 会計監査を厳しくやるにしても、コストはかかってしまう。

 

 だがこの「発明家とスーパーのチェーンのモデル」は、結構重要なのである。

 

 というのも政府などの機関が企業(たとえば軍需産業)から調達を行う場合、商品の情報はプリンシパルである機関にはなくエージェントである企業にあるのにも関わらず、より上質で安価な商品を提供するインセンティブを機関が与えなければならない場合がかなりあるからである。

 

 このモデルでのモラルハザードの解決は結局、ロイヤルティ契約と監査しかないわけであるが。

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