経営者と株主の対立

経営者と株主の対立

経営者と株主の対立

 

■経営者と株主の対立

 

 経営者陣が自社株をあまり持っていない場合には、経営者と株主との間に様々な対立を引き起こす。

 

 その一つ目は「経営者は企業の成長と存続に重きを置き、株主への配当をできるだけ少なくしようとする」、ということである。

 

 企業が大きくなれば当然経営者の報酬も上がるし、たくさんの人間が雇えて偉そうにできる。

 

社会的知名度もあがる。

 

 だから、社会的にも地位があがる。

 

 だから経営者は株主に配当する金をケチり、事業拡大にその金を回そうとする。

 

 二つ目は、「経営者は自分や部下や従業員の役得のために、必要以上の過大な支出を行う」ということである。

 

 つまりこのような過大な支出は実際には業務とは関係がなく、本来株主が受け取る権利を持っているはずの利益である。

 

 不必要にたくさんのスタッフを雇えばそれだけ人件費がかさみ、株主への配当が減る。

 

だから経営者と株主の対立点となる。

 

 そして三番目には「経営陣の持ち株比率が低い場合、経営者は自由な判断を行えるように株主などの組織の「外部」にいる人間からの干渉を排除し、その者達から独立しようとする」ということである(どこやらの政党と同じですね)。

 

つまり所有者である株主から、実質的な所有権を経営者は奪おうとするわけで、そうすれば彼らの地位は安泰となり、自分たちの俸給や部下の給与を高く設定することが可能になるのである。

 

 これらの現象は、経営陣の持ち株比率が低ければ低いほど強まるものだと考えられている。

 

 それはおそらく経営陣の持ち株比率が低ければそれだけ、受け取る便益(儲け)が相対的に大きくなるから(ようするに株主に回すべき利益の横取り分が増えるから)であろうし、不安定ならば不安定なだけ、たくさん儲けようとするからであろう。

 

 自分の金は使いにくいが、他人の金は使いやすいのだ。

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フリーキャッシュフロー

 こうした傾向は、企業に多額のフリーキャッシュフローが存在する場合に、よりヒドくなる。

 

 キャッシュフローとは、(収入)−(直接必要経費)のことであるが、この中から将来のための再投資分をさらに差し引いた、完全に余った額がつまり「フリーキャッシュフロー」である。

 

 効率面から考えると、このフリーキャッシュフローは「増配(配当金の積み増し)」か「自社株買い戻し」によって、株主に還元するべきである。

 

 なぜならそうすればその金の何割かはまた別の投資に振り向けられるだろうし、そうなれば投資によっていくらかは乗数効果が出て社会の経済発展に役立つだろう。

 

 だが経営者はその資金を別の投資に使ったり、経営者や社員で山分けしたいと考えることが多い。

 

 そういうわけでそういう場合に上記の傾向は、フリーキャッシュフローが多ければよりヒドくなると考えられている。

 

 もちろん企業の経営者が自社の大株主であれば、必ず企業にプラスの効果があるかどうかという問題はある。

 

 自社株を100%所有するオーナー経営では、将来性がいくらある事業でも、その事業に参入する決心をするには大きなリスクを負う。

 

 その時経営者がリスク回避的であれば、企業は充分業績の挙げられる事業に参入する機会を逃し、みすみす成長を逃す可能性も大きい。

 

 そしてまた企業規模が大きくなったり、或いは投資に膨大な資金が必要な事業である場合、経営者の持ち株比率が低下することはある意味やむを得ないことである。

 

 だからそういう場合いかに経営者の行動を監視し、そして妥当な範囲で経営者にインセンティブを与えられるかが大きな問題となる。

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