均等報酬原理の計算モデル

均等報酬原理の計算モデル

均等報酬原理

 売り上げや利益を指標とする報酬契約で従業員にボーナスやインセンティブを与える度合いが強すぎると、社員は目先の売り上げやそれに直結する作業にばかり注力することとなる。

 

 それでは評判を落とすから、そのような事が生じないように、従業員それぞれの任務や職務に対し、均等に報酬を割り当てる事がどうしても必要となってくる。

 

 たとえば「掃除一時間」と「販売活動一時間」に対し、同じだけの報酬を支払うとか、「研修」や「スキル・アップ」、または「セルフ・スタディ」にも幾ばくかの報酬を支払うといったような報酬体系である。

 

 こうした、直接売り上げや利益につながる作業と間接的な作業のそれぞれに同等の報酬を割り当てるというのが、「均等報酬原理」である。

 

 均等報酬原理は企業が従業員とインセンティブ契約を結ぶ場合の欠点を補完する働きを持つものである。


均等報酬原理の計算モデル

 たとえば努力水準e1,e2が必要な二種類の業務があるとする。

 

 これらにかかる費用をC(e1+e2)とする。

 

 雇用主側は従業員の業績を何らかの指標e1+x1、e2+x2とを観察することによって業績を評価するとする。

 

 これらの二つの指標を用いて線型報酬関数を支払うとすると、w(賃金)=α+β1(e1+x1)+β2(e2+x2)となる。

 

 ここでx1,x2の期待値(xは本人の努力外によってもたらされる業績要因)をx1^,x2^を考えると、これを受け取る従業員(もちろん「リスク回避的」)の確実同値額はα+β1(e1+x1^)+β2(e2+x2^)−C(e1+e2)−(1/2)rV(β1x1+β2x2)となる。

 

 これをe1で微分するとβ1−C’(e1+e2)、e2で微分するとβ2−C’(e1+e2)(ただしe≧0)である。

 

 ここで効率的なインセンティブ契約を考えるなら、当然β1−C’(e1+e2)=0 かつ β2−C’(e1+e2)=0だから、結局 β1=C’(e1+e2)=β2∴β1=β2 そういうわけで雇い主は、業績アップに直結する業務にも、そうでない業務にも、同じだけのインセンティブ強度を与えなければ、「業績」と「評判」の両立を図れないことになる。

 

 これはもちろん抽象的なモデルではあるが、そういうことである。

 

(つづく)

 

今回のブツブツ

 何が売り上げに結びつく間接的作業であり、何が利益を生む作業であるかという問題は、結局「何に投資すれば結果的に利益を得られるか?」という問題で、投資的な性格を持つ。

 

 業績の良い企業への投資は短期的な利益のみを目指すモノであり、将来性のある企業への投資は長期的な利益を目指すモノであるが、そう言う感じである。

 

 だがしかし、そういう長期的な投資や間接部門・間接作業への投資を容認できない人間というのは結構いるように思う。

 

 とどのつまり目先の収入や利益しか目に入らず、均等報酬原理を頭では理解していても、生理的には容認できないといったタイプの人間が。

 

 しかしこれは生まれつきの性格と言うより、生まれ育ちによって後天的に形成される性格のような気がする。

 

 偏見かもしれないが、日本の東北地方を発祥の地とする大企業がなかなか育たない理由も、こういった間接部門や間接的作業へ長期的な投資するという価値観(「貧乏人の正体」でいう裕福な良家的価値観)が、東北の文化の中にビルトインされていないということなのかもしれないな、、、、とか思ったりする今日このごろである。

 

 やだな。

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