名目為替レートと購買力平価

名目為替レートと購買力平価

名目為替レートと購買力平価

 

 さて実質為替レートがどう動くかはわかったが、実際に取り引き
されるのは「名目為替レート」で、である。

 

 今日の為替レートがどうなっているかはよくわからないが、1ドル
=105円というレートなら、その名目レートで貨幣を交換しなければ
ならない。

 

 では実質為替レートεと名目為替レートeとは、どのような関係
になっているかというと、

 

 実質為替レートε = 名目為替レートe
        ×(自国の価格水準P/他国の価格水準P*)

 

である。

 

 これが合っているかどうかはよくわからないが、この式を少し
差分(微分)してみると、

 

 Δε ≒ Δe + ΔP − ΔP*

 

となる。

 

 Δεとは実質為替レートの「変化率」であり、Δeとは名目為替
レートの「変化率」である。

 

 またΔPは自国通貨の価格水準の変化率だから、すなわち自国の
「インフレ率π」であり、ΔP*はもちろん他国の「インフレ率π*」
である。

 

 だからこの式を変形して名目為替レートで括ると、

 

{名目為替レートeの変化率}

 

 ={実質為替レートεの変化率}+( π* − π ) 

 

となる(注意:ここで等式の左右が入れ替わっています)。

 

 

 この式によると名目為替レートeは、二国間のインフレ率が同水
準であれば実質為替レートと同率で推移し、相手国のインフレ率π*
が自国より大きければ、実質為替レートεが一定であったとしても
名目ではその分上昇する、、、と言うことになる。

 

 そういうわけでインフレ率の高い国の通貨は、ドンドン交換価値
をさげていく。
 インフレ率の低い国の通貨は、ドンドン交換価値を上げていく。

 

、、、ということになる。

 

 名目利子率のところで
{名目利子率}={実質利子率r}+{予想インフレ率}
ということを学んだが、恒常的に大きなインフレのある国では名目
利子率が高くなり過ぎ、経済に悪影響を及ぼすことが多いので、イ
ンフレ率が大きいと名目為替レートのみ成らず実質為替レートも低
下する、、、、のかな???

 

(もう一つピンと来ない)

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購買力平価

 

 為替レートが妥当な水準であるかどうかを考える場合、よく取り
上げられるのが「購買力平価(パーチェシングパワー・パリティ)」
である。

 

 購買力平価というのは要するに、世界中で売っているマクドナル
ドの「ビッグマック」の価格などを元に、貨幣の妥当な交換レート
を算出しようという考えである。

 

 つまり

 

「たいていの国に同様の財やサービスが存在する」

 

と仮定して、

 

「もし同じモノの価格が国際的に大きく異なるならば、実質価格の
高い国の消費者は、より安い国の生産者からそのモノを購入し、自
国の高いモノは購入しなくなるので、そのモノの値段が下がる」

 

という考えから、

 

「通貨の為替レートもそのように調整される」

 

、、、と言う考えである。

 

 アメリカでビッグマック一個が2ドルで、日本では同じビッグマ
ックが300円だとすれば、1ドルは150円になる、、という計算方法が
「購買力平価」による為替レート(通貨の交換レート)である。

 

 購買力平価による為替レートは、大まかな範囲では合っていると
言える。

 

 しかし精密な範囲では合っていない。というのも、財やサービス
の実質価格が国際間で大きく異なっていて隔たりがあったとしても、
それがすぐに貿易によって取り引きされ、レートが調整されるとは
考えにくいからである。

 

 たとえば散髪代・タクシー代・家賃などの価格が、日本とアメリ
カで大きく異なっていても、それを調整するだけのインセンティブ
がなければ国際間では取引が行われないだろう。

 

 さらに複数の財やサービスの価格水準の高低はマチマチであるか
ら、名目為替レートがビッグマックでのレートに適合したとしても、
他の財やサービスでかならずしも適合するとは限らない。

 

 そういうわけで購買力平価と為替レートが一致しない理由は、た
くさん挙げられている。

 

 しかし購買力平価に関する研究から、国際的に貿易を行っている
国々の実質為替レートが、そうむやみやたらに現実からかけ離れな
いだろうことも予想されている。

 

 購買力平価からかけ離れた状態に為替レートが陥ると、貿易によ
って大きな利益を生む可能性が高まるから、それを調整する方向に
大きなインセンティブが生じるのである。

 

 すなわち

 

「変動相場制で自由貿易を行っている国々の間の実質為替レートは、
大局的には購買力平価によるレートからそうかけ離れた水準には成
らず、変動は一時的であり通常は小幅なものに留まる」

 

ということである。

 

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