GDPデフレータとCPI

■消費者物価指数(CPI)

 

 たとえばもし消費者が一年間にリンゴ五個とみかん二個だけを買
うとしよう(そんなわけはないけど)。そうすると消費者の支払う
価格は

 

 リンゴの価格×5+みかんの価格×2

 

となる。これを基準年と比べて比にするのがつまり消費者物価指数
CPIで、つまり

 

CPI= 2000年のリンゴの価格×5+2000年のみかんの価格×2
    ―――――――――――――――――――――――――― 
     1990年のリンゴの価格×5+1990年のみかんの価格×2
である。

 

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■GDPデフレータとCPI
    〜ラスパイレス指数とパーシェ指数
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 GDPデフレータとCPIは、共に価格指数である。
 何が違うのか?

 

1)デフレータは、その年に取り引きされた全ての財やサービスを
対象にしているのに対し、CPIは消費者によって購入された財や
サービスのみを対象にしている。

 

2)GDPデフレータは「国内で生産された財やサービス」を対象
にしているが、CPIはどこの国で生産された財やサービスでも、
その国の消費者によって購入されれば対象になる。

 

3)CPIは「ラスパイレス指数」を用い、GDPデフレータは
「パーシェ指数」を用いている。

 

 ラスパイレス指数は「固定バスケット方式」とも呼ばれ、消費者
が毎年同じモノを同じだけ消費するという仮定の下に計算された値
である。

 

 この時ある財やサービスが何かの原因で暴騰しても、消費者はい
つもと同じだけそれを消費するとして計算する事になるから、物価
の上昇が強めに評価されてしまうきらいがある。

 

 一方パーシェ指数は「可変バスケット方式」で、ラスパイレス指
数のように消費者の代替行動を無視しないから、物価上昇を過大に
評価しない反面、消費者がいつも買っているモノの値段が高騰した
ためにそれを買い控えたり別のモノで代用したりする時の効用の減
少(すなわち満足度の低下)を過小に評価することになる。

 

 結局のところ価格指標としてどちらが優れているかということは
ない。価格指標としてCPIを用いるか、それともGDPデフレー
タを用いるかは、実行する政策や対象の性質によるのである。

 

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失業率とオークンの法則

 経済が資源をどのくらい有効に活用しているかという指数も、経
済のパフォーマンスを測るいい指標である。

 

 その中でも労働資源の利用度(つまり就業率)は、経済状態を判
断する大きな目安となる。

 

 なぜなら労働力は富の源泉であり、経済の重要な資源の一つであ
るからである。

 

 労働力人口や失業率は次のように定義される。

 

■労働力人口=就業者数+失業者数(=全人口 - 非労働力人口)

 

■失業率(%)=(失業者数/労働力人口)×100

 

■労働市場参加率(%)=(労働力/成年人口)×100

 

 労働力人口には子供や学生・隠居・引退者などは含まれない。

 

 そして特に注意しなければならないのは
「働きたいけど職探しを諦めてしまった人口」
も非労働力人口として計算されることである。

 

 因みに
         | 労働力 | 失業率 | 労働参加率
 1992年のアメリカ| 12700万人|  7.4% |  66.3%
1994年の日本  | 6700万人|  3.0% |  63.6%
であった。

 

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失業率の変化とGDPの相関関係(オークンの法則)
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 実質GDPと失業率の関係はどうなっているのであろうか?

 

 GDPは国内における財やサービス生産の総計であるから、失業
率が高くなれば国内の財やサービスの生産は落ちるはずである。

 

 だから実質GDPの変化と失業率の変化はマイナスの相関関係に
あるはずである。

 

 この関係について注目したのが経済学者アーサー・オークンであ
り、彼はアメリカにおける失業率の変化と実質GDPの変化の相関
関係を

 

 実質GDPの変化率(%)=3% ― 2*失業率(%)の変化

 

と計算してみせた。 

 

 この回帰式の定数項は3%だから、アメリカの経済は年率3%の
GDP増加をベースに、変動しているということになる。

 

 そして失業率が6%から8%に増加すると実質GDPは1%減少
し、6%から4%に減少すると実質GDPは7%も増加するという
計算になる。

 

 現在のアメリカの失業率は4%前後だから、この式を用いるとア
メリカ経済はやはり、かなりの好景気である。

 

 ただし日本では失業率と実質GDPに、このようなハッキリした
相関関係はない。

 

 というのも景気が悪くなるとlay-off制度(労働者に給与の何割か
を支払って自宅待機させるアメリカの慣習)によって雇用の調整が
すぐに為されるアメリカと違って、日本では共同体的な論理から可
能な限り労働力を保持したまま不況を乗り切ろうという企業行動が
多かったためだと考えられる。

 

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