小国開放経済へのプロローグ

小国開放経済へのプロローグ

小国開放経済へのプロローグ

 しばらくご無沙汰いたしました。就職のために横浜に引っ越して
いたモンで。

 

 今後は週一回の発行ペースを何とか守りたいと思っていますが、
いろいろ勉強しないといけないことがたくさんあって、どうなるこ
とやら、、、、

 

 その場合はご勘弁願います。 

 

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●読者の方からお便りを頂きましたので、紹介させていただきます。
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 お久しぶりです。岐阜の加藤です。「マンキューも読むのでR」
の執筆ご苦労様です。

 

 最近は、マンキュ−の「ミクロ経済学の原理」の翻訳しながらの
読破という目標がゴールに近づき、次なる目標として、「マンキュ
ーのマクロ経済学」の第4版を英語で読んでみようと思っています。

 

 その前に、「マンキューのマクロ経済学」の日本語版と「マクロ
経済学入門」(第4版:中谷巌)を読もうと思っています。

 

 ところで、今回メールを差し上げたのは、特に「経済成長理論」
には興味があるからで、マンキューといい、最近の教科書では、ケ
インズ派成長理論が紹介されていないこに不満を覚えています。

 

 ハロッド=ドーマー・モデルにおける3つの成長率。現実成長率
G、保証成長率Gw、自然成長率Gn=n+λは、新古典派成長論
でも下敷きになっていると思いますし、ハロッド・モデルの不安定
性(短期と長期の2つ)などを知らないで、いきなりソロー・モデ
では、余りにも難しすぎるのでは・・・・。

 

 僕も大学時代は、新古典派成長理論はほとんど理解できませんで
いたが、「マクロ経済学入門」(第4版)を読んで、かなり理解で
きるようになって来ました。

 

 まだ「マンキューも読むのでR」で解説してあるレベルまでは到
達していませんが、均斉成長とか定常均衡とかいう言葉までは、理
解できるようになりました。

 

 ハロッド・モデルにせよ、ソロー・モデルにせよ、国民所得の決
定理論の均衡条件である I=S がその基本方程式の根底にある
ことで共通していると思います。

 

 それと、必要資本係数とか、貯蓄率が基本方程式で、式の変形中
に度々出現する所に共通性を感じます。

 

 どちらにしても、かなり難しいモデルだと思います。

 

 どちらにしても、ケインズ派成長理論と新古典派成長理論の大き
な違いとか、特色を把握しておくことは重要だと思います。

 

 経済成長理論を考えるうえで、最低限押さえて置くべきだと僕は
思います。

 

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(^_^;)
 ハロッド・モデルですか、、、、お恥ずかしながら知りません。

 

 経済成長モデルと聞いて思い浮かぶのは、今回のソローのモデル
(これも今回勉強して初めて知った)と、開発経済学の授業で聞い
た「低所得水準のわな」という、人口増加が経済成長を速度を上回
ると一人当たり所得が低い方の均衡点に引き戻される、、、という
のくらい。

 

 とりあえず上っ面だけでもマンキューのこのテキストを最後まで
読破して、マクロ経済学を何となく分かったような気になってから、
来年(再来年?)あたりに復習しながら勉強してみることにします。

 

 お便り有り難うございました。(み)

 

 

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        小国開放経済へのプロローグ

 

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■貿易が無視できない場合の国民所得勘定
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 ここまでは、貿易が無視できる範囲内の「閉鎖経済モデル」につ
いて考えてきた。
 すなわち国民所得勘定(Y=C+I+G+NX)で、NX=0とおく
モデルで、国内で生産するモノの殆ど全てを国内で消費し、国内で
消費するモノの殆ど全てを国内で生産する、、、、という状態の経
済の話である。

 

 だがしかし近代の国際経済において、GDPに占める輸出入の割
合は増加する一方である。

 

 カナダやイギリスのGDPの四分の一は輸入に負っているし、国
内の生産力が膨大なアメリカ合衆国においても、ここ四十年の間に
輸入がGDPに占める割合は大きく増えた。(5%→10%)。

 

 経済発展の分析や経済政策の策定において、国際貿易問題は最大
級の重要性を持つに至ったのである。

 

 そういうわけで、ここからは「開放経済」について考えてみる。

 

 つまりここからはNX≠0である。

 

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■純輸出
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 閉鎖経済における国民勘定の恒等式は、

 

 Y(総生産)=C(消費)+I(投資)+G(政府購入)

 

であった。

 

 これらは全て国内で生産され消費されるものであったから、どこ
で生産されたか、どこで消費されたかについて区別をする必要はな
かった。

 

 ところが開放経済を考える場合、それは大きな問題である。

 

 すなわちある財やサービスが自国で生産されているか外国で生産
されているかは、経済を考える上で見逃せない。

 

 だからそれぞれについて、国内(d:ドメスティック)と海外
(f:フォーリン)と言う風に意識を分けて考える。

 

 つまり

 

・国内で生産された財やサービスの消費 → Cd、
・海外で生産された財やサービスの消費 → Cf、
・国内の財やサービスへの投資 → Id、
・海外の財やサービスへの投資 → If、
・国内で生産された財やサービスの政府購入 → Gd、
・海外で生産された財やサービスの政府購入 → Gf、

 

ということで、C=Cd+Cf、I=Id+If、G=Gd+Gf である。

 

 で、輸出をEX(エクスポート)とすると国内総生産Yは

 

 Y=(C−Cf)+(I−If)+(G−Gf)+EX

 

となり、これを整理すると、

 

 Y=C+I+G+EX−(Cf+If+Gf)

 

となる。

 

 Cf+If+Gf=IM(インポート)とおくと、IMは海外に対する
支払いであるから、ここで初めて「輸出−輸入」と言う項ができる
ことになる。

 

 輸出(EX)−輸入(IM)の差を
「純輸出(ネット・エクスポート)」
と呼び、NXで表す。

 

 国民所得勘定の恒等式を変形すると、
 NX =Y−(C+I+G)
となるが、これは国内での生産額が国内向け支出を上回ればNX>0
となり、逆に国内での生産額が国内向け支出より小さくなれば
NX<0となることを示している。

 

 

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■対外純投資と貿易収支
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 さて、NX≠0の場合の国民貯蓄Sはどうなるか?

 

 国民貯蓄Sとは、GDPから消費Cと政府購入Gを差し引いたモ
ノ、すなわち Y−C−G=S であった。

 

 国民貯蓄Sは、民間貯蓄(Y−T(税金)−C)と、政府貯蓄
(T−G)の二つに分けられるが、そうするとNX≠0の場合、

 

 S = Y−C−G = I+NX  ∴ S = I+NX

 

ということになる。

 

 そしてこの恒等式をさらに変形すると、S−I=NX と言うこと
になるが、この(S−I)を特に「対外純投資」と言う。

 

 つまり海外と貿易などをしている開放経済では、国民貯蓄≠投資
となるから、その差分だけ海外に投資している事になるのである。 

 

 日本人は貯蓄性向、すなわち収入を貯蓄に回す度合いが高いと言
われるが、そうやって貯蓄しても国内に投資先がない場合、その貯
蓄は海外に投資される。これがつまり「対外(対外国)投資」であ
る。

 

 もちろん海外の投資家も日本の企業に対して投資を行う場合もあ
るから、対外投資からそれを差し引いた分が「対外純投資」という
事になる。

 

 そして S−I=NX の場合のNXを、貿易収支(トレード・バラ
ンス)と呼ぶ。

 

 トレード・バランスとは、純輸出の「別名」であると考えてよい。

 

 S−I=NX >0の時が「貿易黒字(貿易過剰)」であり、
 S−I=NX <0の時が「貿易赤字(貿易不足)」である。

 

 貿易黒字が生じたとき、対外純投資もプラスになっている。
 貿易赤字が生じたとき、対外純投資はマイナスになる。

 

 

(つづく)

 

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         今回の・・・・

 

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 ふう、、、今週は何とか発行できたな。
 明日からまた会社だ。さっさと寝ないと

 

NEXT:小国開放経済における貯蓄Sと投資I

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