GDPに入るモノ入らないモノ

GDPに入るモノ入らないモノ

GDPの計算ルール

 GDPは基本的に(売れたモノ)×(売れた数)の合計である。
 すなわち

 

  売れたリンゴの数×その売却代金
  + 売れたミカンの数×その売却代金
   + …
    = ΣPi・Qi

 

である。

 

 だがこれだけでは問題がある。
 というのもこれでは生産途中の「中間財」が何度も重複して勘定
されてしまう場合が生じるのである。

 

 大抵の財やサービスはいくつもの生産段階を経て完成されるので、
原材料はある企業によって加工され中間財(そのままで消費されな
い財)となり、それが他の企業に売却されて最終加工されるわけで、
たとえば牧場主は100gの牛肉を50円でマクドナルドに売り、マクド
ナルドはそれを加工して消費者に150円で売るわけである。

 

 そうすると今までの計算ではGDPは50円+150円=200円という
ことになってしまう。つまり最初の牧場主の売った50円が二回カウ
ントされてしまうのである。

 

 だからGDPは中間財を除いた最終(消費)財だけを計算しなけ
ればならないわけなのだが、考えてみればどこまでが中間財でどこ
からが最終財であるかは結構あやふやである。

 

 新聞社は新聞を売り、消費者はそれを買って読んで消費するが、
その後新聞紙は古新聞屋に回収されて再生紙となる。これでは消費
されたのがいくらかは曖昧だ。

 

 だからGDPの計算には「企業の付加価値(バリュー・アディド)
」だけを合計するという方法が考えられた。

 

 牛肉100gを使ったハンバーガーの場合だと、牛肉100gの価格や
バンズ(パン)代・ケチャップや光熱費などの諸経費を差し引いた
額がハンバーガーの「付加価値」であり、たとえば牛肉以外の経費
が70円かかったなら、150円-50円-70円=30円が「ハンバーガー企
業が生産した付加価値」になる。 

 

 つまり GDP=Σ{(売却価格 - 中間財価格)×売れた数}i
である。

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在庫と帰属価値:GDPに入るモノ入らないモノ

 在庫として購入した財もフローであるからGDPに算入される。

 

 在庫自体はストックであるが、在庫量の増分や減分はフローであ
る。だからGDPに算入されてGDPを大きくする。

 

 同じ理屈で公害などの発生もGDPを押し上げる。

 

 なぜなら公害を解決するために有害物質除去設備が用いられ、フ
ローが発生するからである。

 

 が公害を放置しておればGDPは増えない。

 

 また自宅に住んでいても、市場価格を参考にして家賃がフローと
してGDPに算入される。

 

 実際にお金が動いていないのに推定して算入するこういう価値を
「イムピュート・バリュー」という(日本語では「帰属価値」)。

 

 すなわち自宅に住んでいても住宅サービスは発生しているという
理屈らしい。同様に公務員の行政サービスも公務員の給料を参考に
算入されている。

 

 ただこのような価値が全てGDPに算入されているかと言えば、
そうでもない。たとえばどんな旨い豪華な食事を作っても、自家消
費のための生産による付加価値はGDPに算入されない。

 

 最後にアンダーグラウンドで生産される財やサービスももちろん
GDPには算入されない。人殺しサービスや脱税サービスは算入さ
れない。

 

 GDPはその地域に住んだり滞在したりした人間の所得合計であ
り、かつ、支出合計であるが、そういうわけで計算から外されたり
計算から漏れたりする財やサービスがあるのは確かである。

 

 しかしそれにも関わらず、GDPは経済の指標として大きな意味
をもつ指標である。

 

 

(次回はGDPデフレータ・他、の予定)
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          今日のまとめ

 

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 GDPとは、一年間にその地域に住んだり滞在した人間の得た収
入の合計であり、支払った支出の合計である。

 

 GDPは一年間のその地域の金銭フローを計算したモノであり、
在庫のための購入もGDPに計算される。

 

 GDPの計算は、企業や組織の生産した「付加価値」すなわち
「財やサービスの売却価格から中間財などのコストを差し引いた金
額」の合計で計算する。

 

 またGDPには実際に支払われていない家族の部屋代(イムピュ
ート・バリュー:帰属価値)などが推定されて計算に入っている。

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