賃金の硬直性と待機失業

賃金の硬直性と待機失業

賃金の硬直性と待機失業

■失業の第一原因(復習)
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 失業の第一の原因は、離職者が新しい職に就くマッチングに時間
がかかることであった。

 

 経済が変化し景気が変動する以上、離職した人間の数だけ就職先
があるわけではない。

 

 たとえそういう就職先があっても、離職者の求める就職条件を満
たすかどうかもわからない。

 

 だから離職者の再就職(マッチング)には時間がかかるのだが、
このような失業を「摩擦的失業」と言った。

 

 また時代や場所によって必要とされる職種や技能が変化し、クビ
になった人間が同じ仕事では職が見つからないという事態が生じる。

 

 人々の嗜好が変わったり技術革新などで労働者に必要とされる技
能が変われば、タイピストは失業しパソコンのオペレータが就業す
る機会を得ると言ったことが起こるし、ある特定の産業が興隆し代
わりに別の産業が廃れると、興隆した産業のある地域では就業機会
が増え、別の地域の就業機会は減るといったことが起こる。

 

 このような産業間・地域間での需要構造の変化を「部門間シフト」
という。

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賃金の下方硬直性と失業

 

 失業の第二の原因は、実質賃金の硬直性である。

 

 古典派理論の労働市場モデルでは、雇用条件は需給関係で決まり
均衡に達することになっているが、実際はそうではない。

 

 労働市場での需給関係が変化し賃金水準が上がれば、現在働いて
いる労働者の賃金は上がるが、逆に賃金水準が下がっても、クビに
ならない労働者の賃金は下がらない。

 

 そして企業をクビになって再就職を希望する者も、均衡賃金より
高い水準でないと就職しようとしない。
 すなわち失業者が現在の賃金水準を受け入れるには時間がかかり、
前職を離れる時の賃金水準にどうしてもこだわってしまうのだ。

 

 このような賃金の硬直性と職の割り当てによって起こる失業を、
特に「待機失業」という。

 

 失業者は需給関係が改善し、以前の給与が賃金水準に戻るのを待
っているのである。

 

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実質賃金
 ↑
 |  \     |労働供給
 |   \    |
 |    \   |
p'|……………\  |
 |     |\ |
 |     | \|
p*|……………………| 
 |     |  |\
 |     |  | \
0――――――――――――――→
 ←――――→←―→    労働
雇用数  失業数

 

※均衡賃金P*なら全員雇用されるが、硬直性賃金水準だと失業が
起こる。
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