インフレと老後、予期しないインフレの影響

インフレと老後、予期しないインフレの影響

物価水準の変動コスト

インフレの影響の話の続き。

 

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5) 物価水準の変動コスト
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 インフレは、将来のために備えるのを難しくする。

 

 たとえば老後に備えて今一億円の金を貯金したとしても、20年後
にその価値がそのままである可能性は低い。

 

 それならいくら貯めておけばよいのだろうか、、、ということで、
余分に貯金したり、貯金するのを止めてしまったりする。

 

 そしてもしハイパー・インフレなどが起こってしまえば、もうど
うしようもなくなる。

 

 それに備えるために人間は地所を買ったり、アパートを経営した
り、株に投資したりと様々なことをするわけだが、もしインフレと
いうものがなければ、そのための費用は要らなくなる。

 

 つまりインフレの存在によって、インフレに対処するための費用
がかかっているのである。

 

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予期しないインフレの影響

 

 たとえば固定金利で長期の住宅ローンを組んだとする。

 

 そうすると当然インフレで得をする人と損する人が出てくること
になる。

 

 年10%の金利で住宅購入資金を借り入れても、インフレ率が10%を
越えれば資金の賃貸コストが0になり、借り手は丸儲けである。

 

 しかし逆に同じ条件でインフレ率が0%なら、借り手は資金を借り
入れる費用を一割も支払わねばならないことになる。

 

 高率のインフレは、そうしてたいてい借り手に有利に作用する。

 

 そうして恣意的な富の再配分を引き起こす。

 

 高率のインフレはまた同時に、不安定なインフレである。

 

 来年も再来年もその次の年も同じ速度でインフレが進むとすれば、
人々はそれに備えることができるが、不安定だからそれに備えるコ
ストが余分に必要になる。

 

 定額の年金を受け取っている高齢者はインフレによって実質収入
が減るし、貨幣の所有者もそのコストを支払わねばならなくなる。

 

 そうなると大きな社会問題であるが、結局これは名目価値と実質
価値の乖離による問題であり、将来を的確に予測できないという限
定合理性によるモノである。

 

 高率のインフレの社会的コストは、そういうわけで非常に大きな
ものとなる。

 

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