不完全情報モデル・硬直的価格モデル

 総供給の第一のモデルは「スティッキー・ウエッジ・モデル」で
あった。これは賃金が名目賃金で支払われるうちにインフレが生じ、
実質賃金が下がることによって企業が雇用を拡大して生産が増える
というものであった。

 

 総供給の第二のモデルは「労働者錯誤モデル」であった。
 このモデルは労働者が物価水準の上昇に気づかず、それに伴って
引き上げられた名目賃金Wを「実質賃金の上昇だ!」と錯誤するこ
とで労働供給量が増え、その結果総供給が増える、、というもので
ある。

 

 これらの結果、生産は価格(物価水準)Pが期待水準Peから乖離
すると、自然率より乖離することになる。

 

 つまり

 

 Y=Y^+α(P−Pe)  α>0

 

である。

 

 さて総供給の第三・第四のモデルは「不完全情報モデル」「硬直
的価格モデル」である。

 

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■不完全情報モデル
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 大根を作る農家は大根の価格によって大根の栽培量を加減する。
 大根を栽培して儲かれば栽培量や供給量を増やし、逆なら減らす。

 

 しかし実は大根の栽培量を決定する場合、大根の相対価格はわか
らない。

 

 もし大根の生産者が大根の価格が他の財やサービスに比べて相対
的に高く売れると考えると、生産者は大根を有利な作物として捉え、
大根の生産量を増やすだろう。

 

 実際のところ、生産者というものは自分の生産する財やサービス
の価格には敏感だが、他の財やサービスの価格にはあまり詳しくな
い。

 

 だから他の財やサービスの価格の多くがが上昇していたとしても、
生産者は自分の生産する財やサービスの価格のみが上昇したと考え
ると、当然生産量を増やすという行動に出るだろう。

 

 その結果、生産の自然率からの乖離が生じる。

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硬直的価格モデル

 

 最後の総供給のモデルは「硬直的価格モデル」である。

 

 短期分析では「価格の硬直性」を仮定しているが、企業の財やサ
ービスの販売価格が硬直的であることに着目するのがこのモデルで
ある。

 

 式を書くのが面倒なので簡単に書くと、

 

1)企業が物価水準Peを高く予想すると、財やサービスを生産する
コストも高く見積もることになるから、価格は高く設定される。

 

 その結果、この企業と取り引きしている他の企業も高い価格を設
定せざるを得なくなり、現実の価格水準Pの上昇が生じる。

 

2)産出水準が高いと財に対する需要も大きい。
 その結果、価格変更が容易な企業は高い価格に価格を変更する。
 それによって物価水準は上昇する。

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