トービンのqと、資金調達制約

トービンのqと、資金調達制約

トービンのqとその他の投資

 

 株式市場と投資のつながりに関して、トービンのqという比率が
ある。

 

      設置済みの資本の市場価値
 q = ―――――――――――――――
      設置済み資本の再取得費用

 

 トービンのqとは、上の式によって算出される指数で、企業はこ
の値に基づいて投資を決定すると考えた。

 

 これはつまり現在すでにある資本の市場価値と、これをもう一度
作る場合に必要となるコストとの比率であるが、qが1より大きい
と現在存在する資本の価値が、資本のを更新するコストより高い。

 

 この場合経営者は投資を増やす。というのも、株式市場は現在あ
る資本の価値を高く評価し、それが資本の取得費用より高いと判断
しているからである。

 

 つまり
(資本の所有価値)>(資本の購入価格)
ということだから、企業は資本を買い入れることによって自社の株
式の価値を高めることができるのだ。
(もちろん株式の価値を高めると言うことは、企業の評判や資金調
達コストを下げるので利益がある。)

 

 そしてトービンのqが1より小さくなると、経営者は逆に投資を
減らす。というのもq<1だと
(資本の所有価値)<(資本の購入価格)
であるから、資本が減価しても再投資する投資インセンティブはな
くなる。

 

 投資インセンティブの基準として、トービンのqは有用であり、
また株式市場と投資の関係を簡単に理解するのに役立つ。

 

 つまり資本の購入価格自体は比較的安定しているので、株式市場
での株価の変動がそのまま企業の投資マインドに影響するのと同様
に推移する。

 

 つまり株価が下がると企業の投資マインドが冷え込み、株価が上
がると投資マインドが上昇するというのが、トービンのqからわか
る。


資金調達制約

 

 投資をすれば利潤が上がると分かっていても、投資をするための
資金がなければどうしようもない。

 

 しかし銀行から金を借りるにしても、株式市場から資金を調達す
るにしても、必要な額だけの金を借り入れることが可能だとは限ら
ない。

 

 新古典派モデルでは、資金の調達に関しても制約を前提としてい
ないが、明らかに資金の調達には制約がある。

 

 これはアービング・フィッシャーの制約式と同様に、企業の最適
投資の実現には障害となる。

 

 資金が調達できれば利益が上がると分かっていても、銀行が貸さ
ない・株式市場が冷え込んでいる、、、、中小企業などはもう塗炭
の苦しみ、、、

 

 企業が将来の見込みによって投資を決定できず、資金調達が困難
なために投資ができない場合、投資は冷え込む。

 

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