グロス・ドメスティック・プロダクト

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 マクロ経済学を学ぶに当たり、まず覚えておかねばならない三種
類の統計がある。

 

 それは
「ジー・ディ・ピー」
「シー・ピー・アイ」
「アン・エンプロイメント・レイト」
である。

 

 これらがどのように作成され、どのような意味を示しているかを
まず確かめよう。今回はグロス・ドメスティック・プロダクト、つ
まり国内総生産GDPである。

 

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GDP(国内総生産・グロス・ドメスティック・プロダクト)
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 GDPとは国内(地域内)に住む人々全ての所得(収入)の合計
のことであり、国内(地域内)で生産された財やサービスに対する
総支出額(代金の総額)のことである。

 

 たいていは一年ごとの統計であり、去年のGDPは500兆円とか、
一昨年のGDPは470兆円とかいう風に言う。

 

 以前はGNPと呼ばれる指標がよく用いられたが、これはある国
の国民全員の収入合計であり、国民の支出合計のことであった。

 

 GDPがGNPとどう違うのかというと、GNPは
「人々の収入と支出を国籍別に集計して合計したモノ」
であり、
一方GDPは
「人々の収入と支出を、住んでいる地域別に集計して合計したモノ」
のことなのである。

 

 つまり
「ある国で生活している人ならどこの国籍を持っていようとも構わ
ず、とにかくその国で収入を得たり(給料をもらったり)支出(買
い物や支払い)をしたりしていればその国の勘定に入れましょう」
ということで、GDPだと海外に住んでいる自国人については計算
に入れずにすむので、円なら円、ドルならドルといった自国の通貨
だけで計算が済むという利点がある。

 

 海外に住む自国民の収入と支出とを計算しようとすると、物価水
準も異なるし単純に自国通貨に換算して計算しようとしても少し問
題がある。なぜなら外国での取引はその国での経済状態に従ってい
て、自国の経済状態とは基本的には別だからである。

 

 だがGDPだと国境を境にした内側だけで国内の計算は済んでし
まうし、国内と海外との金や財やサービスの取引は国境のどこかで
必ずカウントされることになるから、楽なのである。

 

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ストックとフロー

 フローというのは動いている量のことであり、ストックとは溜ま
っている量のことである。

 

 水で言うと、蛇口から流れ出た水はフローでありバケツに溜まっ
た水はストックである。バケツから漏れて出た水はフローであり、
地中に溜まった水はストックである。

 

 またこの関係は「フロー」=「ストックの変化分」と言う風に理
解できるから、消費者の「貯金」や「借金」はストックであり「収
入」や「支出・支払い」などは貯金や借金を変化させているという
ことである。

 

 経済連関では
1.消費者の富はストック、所得や支出はフロー
2.失業者の数はストック、新規の失業者数はフロー
3.経済の総資本はストック、投資はフロー
4.政府の負債額はストック、財政赤字額はフロー
ということになる。

 

 GDPはこの経済における金銭のフローを測定しているわけで、
だから販売者側から見た側面(生産)と消費者側から見た側面(支
出)の二つの面があり、取引とは財やサービスと金銭を交換するこ
とであるから、これらが常に等しいことになるのである。

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