総需要・総供給に対するショック

総需要・総供給に対するショック

総需要に対するショック

 

 総需要へのショックは貨幣の需要量が変化したり、中央銀行が供
給すべき貨幣の量を見誤ったりした場合に、総需要曲線ADがLRASと
SRASとの交点からズレる「ショック」である。

 

 たとえばATM(自動預け払い機)などの普及である。

 

 イノベーションによって貨幣需要が減ったのにも関わらず流通貨
幣量を減らさない場合、総需要は増大する。

 

 要するにバブル経済のように貨幣の流通速度が速くなって、貨幣
がジャブジャブ余っている感じである。

 

 他の例は書いてないけど、とにかくそういう場合に総需要曲線AD
がブレる(らしい)。

 

(※どなたか他の例を教えてください)

 

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■総供給に対するショック
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 そういうわけで総需要に対するショックがとりあえず分かったと
して、さてでは「総供給に対するショック」である。

 

 総供給に対するショックとは、ズバリ供給量が突然増えたり突然
減ったりするイレギュラーで起こる。

 

 たとえばフィリピンの火山が噴火して世界中の日照量が減ると穀
物の収穫量が減り、穀物価格が暴騰する。

 

 あるいは日本のバブル崩壊や金融壊滅などで土地神話が崩れ、土
地の値段が暴落した後も価格低下が続くというのも、総供給へのシ
ョックとなる(土地を売りたい者が大過剰になっている)。

 

 総供給へのショックとはズバリ「価格ショック」なのである。

 

 総供給へのショックは総需要へのショックが総需要曲線ADをシフ
トさせるのとは逆に「まず短期総供給曲線SRASを変化させる」のだ!

 

 長期分析では価格が伸縮的であり、短期分析では価格が硬直的で
あるとこの項の最初に学んだが、その硬直的な価格水準が供給不足
や供給大過剰によって大変動してしまう。

 

 これはもちろん天災などによるショックに限らず、公害防止義務
が企業や自治体に課せられるような法律が成立したり、特権的なポ
ジションにいる労働組合(たとえば国鉄やJALなどの労働組合)が強
硬なストで必要以上の賃金上昇を勝ち取ったり、OPECなどの国際的
なカルテルが供給調整をして価格上昇を図ったり、、と、とにかく
何らかのコストや上乗せが価格に転嫁させられて価格水準が上昇す
るような場合にも生じるショックである。

 


総供給へのショックに対する二つの対策

 

 総供給へのショックによって価格水準が上昇した場合を考える。

 

 このときSRASは下図のようにSRAS’に上昇する。

 

 P(物価水準)
  ↑     |LRAS
 |  \b  |
  |―――\―|――――――SRAS'
 | ↑ ↑\| ↑ ↑ ↑
  |―――――\――――――SRAS
 |     |\ 
  |     | \  
 |     |  \AD
0 ―――――――――――――――→Y(産出、所得)
      b←Y

 

 SRAS’に価格水準が上昇すると、当然消費量Yはbまで落ちる。

 

 穀物不作で穀物供給量Yが落ちる場合は最初から消費量Yは落ち
るが、それでも穀物価格が暴騰すればさらに消費量Yは落ちる。

 

 1990年代半ばの日本のコメ不足の際にも、価格が暴騰する一方で
高くなりすぎた国産のコメが後々残るという現象が生じたが、そう
いう感じで消費量Yが落ちる。

 

 そうすると不思議なことが起こる。

 

 財やサービスの価格が上昇すれば、生産して儲けがでる可能性が
高まるから供給量が増えるはずなのに、供給量が減るのである。

 

 価格が上昇するのに供給量が減り、ジワジワと価格ばかり上昇す
る現象を特に「スタグフレーション」という。

 

 スタグフレーションが起こった場合の政府の政策には二通りある。

 

 それは
1)総需要を一定に保つ(放っておく)。
2)総需要を増やす。
という二つである。

 

 1)の策では不況になり失業率が自然失業率より下がって、物価
水準が下がるまで放っておくことになり、2)の策では物価水準が
下がらず高いままになる。

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