貨幣(マネー)とは何か

貨幣(マネー)とは何か

貨幣(マネー)とは何か

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■貨幣の機能
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 世間では一般的に貨幣(money)は富と同じ意味に用いられる。

 

 だがしかし経済学者の定義による貨幣とは、

 

「取引や決済に即時に使用しうる資産のストック」

 

のことである。

 

 そして貨幣には主に三つの機能があるとされ、その三つとは

 

1)価値の貯蔵の手段
2)計算単位
3)交換手段

 

である。

 

 貨幣のない物々交換社会では、お互いに相手の欲しいモノを持っ
ているという「偶然の一致」がなければなかなか取引自体が成立し
ない。

 

 だから、そういう社会では比較的単純な取引か、記憶に止めてお
ける程度の「貸し借り」でしか財やサービスが移動しない。

 

 貨幣を用いることで我々はより多様で間接的な交換や取引を行う
事ができるのだ。

 

 

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■貨幣の種類
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 貨幣は、その物自体に価値がなくても貨幣としての機能を果たす
と認識されれば貨幣となる。

 

 1ドル紙幣はジョージ・ワシントンの肖像の描かれた紙切れであ
るが、それを持っていれば様々な商品やサービスと交換できると人
人が認識する故に、貨幣となる。

 

 だから大昔のアジアの内陸部では、海岸に行きさえすればタダで
山ほど採れるような貝殻でさえ、貨幣として用いられていた。

 

 このような、貨幣自体に殆ど何の価値もなく、本来的な価値を持
たない貨幣を「フィアット・マネー(不換紙幣・不換貨幣)」と言
う。

 

 フィアット・マネーは本来的な価値を持つ貨幣(たとえば金貨や
銀貨)の替わりとして流通し、価値の裏付けのないまま、その便利
さ故にいつの間にやら定着したものである。

 

 経済学者達は本来的な価値をもつ貨幣を特に「商品貨幣」と呼ん
でいるが、貨幣として流通しだした商品はその商品の用途とは関係
なく珍重される。

 

 たとえば第二次世界大戦中のナチの捕虜収容所では、配給される
タバコの本数によって財やサービスの交換が行われた。

 

 すなわち捕虜に配給される食糧や衣服などが全て「タバコ○○本」
と言う風に計算され、捕虜同士が配給物資を交換する際の交換比率
を決めたのだ。

 

 そうなるとタバコを吸わない捕虜も、タバコを欲しがるようにな
った。

 

 タバコを吸わないモノにとってタバコの価値など無きに等しいが、
貨幣としての機能を持てば皆欲しがるのである。

 

 タバコはそうして収容所内で、価値の貯蔵手段として、計算単位
として、交換手段として用いられた。

 

 現在の不換紙幣も元々は金銀の裏付けを持った貨幣であったが、
金銀の裏付けを持たなくなってもやはり貨幣として流通しているか
ら、貨幣には前述の三機能を果たす「何か」さえあれば良いのであ
ろう。

 

 

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■貨幣量のコントロール
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 利用可能な貨幣の量のことを「マネーサプライ(貨幣供給量)」
と呼ぶ。

 

 金や銀などの商品貨幣を用いている経済ならば、金や銀などの総
量によってマネーサプライは決まってしまう。

 

 一方現代の経済のようにフィアット・マネー(不換紙幣)を用い
る経済では、マネーサプライはそのフィアット・マネーの発行量や
流通量を調整することによってコントロールされる。

 

 さてマネーサプライの管理のことを「金融政策」と呼ぶが、政府
や中央銀行などは国債の売買によって市中に出回る貨幣の量を調整
する事が多い。

 

 すなわちマネーサプライを増やす場合には市中に出回っている国
債を政府や中央銀行が買い入れて貨幣を増やし、逆にマネーサプラ
イを減らす場合には国債を売りだして市中に出回っている貨幣を引
き上げる。

 

 もちろん金融政策には他にも様々な方法があるが、大事なのは中
央銀行が直接的にマネーサプライをコントロールする能力を持って
いるということである(詳しくは後に短期分析で検討する)。

 

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■貨幣量の測定
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 貨幣が商品貨幣である場合には、貨幣量の測定は比較的簡単であ
る。

 

 金銀を貨幣として用いている場合には、経済に存在する金銀の総
量がすなわち貨幣量である。

 

 捕虜収容所のようにタバコが貨幣として用いられている場合には、
タバコの総本数が全貨幣量である。

 

 ところがフィアット・マネーが盛んに用いられるようになると、
そのような単純な形で貨幣量を測定することができなくなってくる。

 

 というのも貨幣とは

 

「取引・決済に即座に使用しうる資産ストック」

 

だから、ある種の信用さえあれば様々な形の貨幣が存在しうるから
である。

 

 まず第一が、紙幣と硬貨の「現金通貨(カレンシー)」である。

 

 そして第二が、小切手などと言った「要求払い預金(デマンド・
デポジット)通貨」である。

 

 小切手は銀行の当座預金に預金があることを前提に出回るが、請
求が無ければ紙幣や硬貨は移動しない。

 

 すなわち小切手が有効であれば、小切手も取引や決済に即座に使
用しうる資本ストックであり、紙幣や硬貨などのかわりに流通する
わけである。

 

 銀行は集めた現金通貨を元に小切手を発行し、集めた金の何倍モ
ノ金を貸し出す(信用創造)から、世間に流通している決済手段と
しての貨幣量は「現金+小切手」と言う風に計算できるわけである。

 

 小切手のような「現金通貨以外の貨幣」は他にも様々あって、た
とえば海外旅行に行ったときなどに使う「トラベラーズ・チェック」
などもその一つである。

 

 他にも「譲渡性預金CD」「準通貨」「条件付き取引」「短期金
融市場預金勘定」「郵便局や農協・漁協貯金」「小口定期預金」、、
などがあって、マネーサプライの大きさを一つに測定するのは非常
に難しい。

 

 すなわち「貨幣ストック」の尺度はかなり曖昧なのである。

 

 だが通常は現金通貨(C)に要求払い預金(デマンド・デポジッ
ト)や他の小切手勘定預金とトラベラーズ・チェックなどを加えた
「M1」という尺度か、さらにそれに流動性の高い(すなわち現金
のようによく扱われる)預貯金を加えた「M2」という尺度が用い
られることが多い。

 

 貨幣の尺度は国によって異なるので、注意が必要である。

 

 

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         今回の・・・・

 

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 金融の専門家にならないなら、M3とかは覚えなくてもいいんだ
ろうな。何のこっちゃかサッパリだ。

 

 因みにテキストに載っている数値では、M2はM1の三倍強、
M1はCの三倍強くらいの貨幣量になってます。

 

 そう言う点では、M1とM2を区別する必要があるってことかな
? よくわからん、

 

NEXT:貨幣数量説とインフレ税

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