貨幣(マネー)とは何か

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 世間では一般的に貨幣(money)は富と同じ意味に用いられる。

 

 だがしかし経済学者の定義による貨幣とは、

 

「取引や決済に即時に使用しうる資産のストック」

 

のことである。

 

 そして貨幣には主に三つの機能があるとされ、その三つとは

 

1)価値の貯蔵の手段
2)計算単位
3)交換手段

 

である。

 

 貨幣のない物々交換社会では、お互いに相手の欲しいモノを持っ
ているという「偶然の一致」がなければなかなか取引自体が成立し
ない。

 

 だから、そういう社会では比較的単純な取引か、記憶に止めてお
ける程度の「貸し借り」でしか財やサービスが移動しない。

 

 貨幣を用いることで我々はより多様で間接的な交換や取引を行う
事ができるのだ。

 

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貨幣の種類

 

 貨幣は、その物自体に価値がなくても貨幣としての機能を果たす
と認識されれば貨幣となる。

 

 1ドル紙幣はジョージ・ワシントンの肖像の描かれた紙切れであ
るが、それを持っていれば様々な商品やサービスと交換できると人
人が認識する故に、貨幣となる。

 

 だから大昔のアジアの内陸部では、海岸に行きさえすればタダで
山ほど採れるような貝殻でさえ、貨幣として用いられていた。

 

 このような、貨幣自体に殆ど何の価値もなく、本来的な価値を持
たない貨幣を「フィアット・マネー(不換紙幣・不換貨幣)」と言
う。

 

 フィアット・マネーは本来的な価値を持つ貨幣(たとえば金貨や
銀貨)の替わりとして流通し、価値の裏付けのないまま、その便利
さ故にいつの間にやら定着したものである。

 

 経済学者達は本来的な価値をもつ貨幣を特に「商品貨幣」と呼ん
でいるが、貨幣として流通しだした商品はその商品の用途とは関係
なく珍重される。

 

 たとえば第二次世界大戦中のナチの捕虜収容所では、配給される
タバコの本数によって財やサービスの交換が行われた。

 

 すなわち捕虜に配給される食糧や衣服などが全て「タバコ○○本」
と言う風に計算され、捕虜同士が配給物資を交換する際の交換比率
を決めたのだ。

 

 そうなるとタバコを吸わない捕虜も、タバコを欲しがるようにな
った。

 

 タバコを吸わないモノにとってタバコの価値など無きに等しいが、
貨幣としての機能を持てば皆欲しがるのである。

 

 タバコはそうして収容所内で、価値の貯蔵手段として、計算単位
として、交換手段として用いられた。

 

 現在の不換紙幣も元々は金銀の裏付けを持った貨幣であったが、
金銀の裏付けを持たなくなってもやはり貨幣として流通しているか
ら、貨幣には前述の三機能を果たす「何か」さえあれば良いのであ
ろう。

 

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