均衡財政なんて百害あって一利なし

均衡財政なんて百害あって一利なし

均衡財政なんて何の意味もない

 

 国家の歳入と歳出が均衡しているべきだ、という主張はよくある。

 

 だがしかし、それを支持する経済学者は殆どいない。というのも
それは単に、財政を企業の経営や家計と同じ見方で見ているだけで
あり、政府が増税したり紙幣を刷って歳入を増やすことが(制限付
きながら)自由にできるという事実を忘れている。

 

 政府は企業や家計と違ってお金を造ることができる。

 

 日本では「発券収入」を禁止しているが、政府の歳入として毎年
決まった額のお札を印刷している国は多い。

 

 これは別名「インフレ税」というが、国債を大量発行してそれを
日銀が無条件で買い入れるというのも似たようなもんである。

 

 だから歳入と歳出が均衡しているからといっても意味はない。

 

 やろうと思えばいつだってできるが、しかしそれをやった場合、
経済は大混乱である。

 

 たとえば発券収入を大きくすれば、経済はハイパーインフレが起
こる。

 

 第二次世界大戦での日本の戦費は170兆円と言われるが、その
殆どが軍票という名前の発券収入で賄われた。

 

 戦争をするために歳入を増やし、財政を均衡させたわけである。

 

 そしてその軍票がどうなったかと言えば、戦後二束三文の紙切れ
になり、何年分モノ給料で一食分の飯とタバコ数箱しか買えない状
況になった。

 

 また南アメリカ諸国のハイパーインフレも、政府の歳入不足を発
券収入で賄ったために起こった。 

 

 公務員に給料を支払うために歳入の30%だとか40%だとかの
分、紙幣を刷って支払った。だから毎年毎年実質貨幣価値が大幅に
下がり、自国紙幣が貨幣としての信用を失った。

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不況時には、政府購入を減らせない

 

「じゃあ政府が紙幣を発行することを制限して、
歳入に応じて支出を減らすと言う
ルールにすればいいじゃないか」
という意見もあるだろう。

 

 だが景気後退期には税収が減り、
雇用保険などの支払いなどの
移転収支が増えて財政は赤字になる。

 

 国民所得勘定の恒等式を思い出してみよう。

 

 Y = C + I + G + NX
{GDP}={消費}+{投資}+{政府購入}+{純輸出}
 Y = C(Y−T) + I + G + NX

 

 均衡財政ルールでは、不況になった場合に「税率アップ(増税)」
か「政府購入の削減」を行わなければならないが、それはどちらも
上に見るようにGDPをさらに引き下げる働きをし、不況をさらに深化
させる。

 

 そして均衡財政ルールでは、
将来国民にとって大きな意味を持つ
支出がうまく行えない。

 

 たとえば戦争、たとえば教育、
たとえば社会インフラの整備など、
将来の自由や子孫のための欠くべからざる支出が、
不況時には行えないと言うことになる。

 

 財政を均衡させるというルールは、あまりに危険なルールであっ
て、しかも殆ど何の価値もない。

 

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