労働者錯誤モデル

労働者錯誤モデル

労働者錯誤モデル

■硬直賃金モデル(復習)
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 総供給の第一のモデルは「スティッキー・ウエッジ(硬直賃金)
モデル」であった。

 

 スティッキー・ウエッジ・モデルは、賃金が名目価格で支払われ
て次の「給金直し」まで硬直的であることに着目するモデルであっ
た。

 

 賃金が名目的に硬直的であれば、インフレによって実質賃金の低
下が起こったばあいに「企業はより多くの労働者を雇うことができ
る」。

 

 多くの労働者を雇うことができれば、生産関数Y=F(K、L)に
より総供給Yが増大する。

 

 これによって
 Y=Y^+α(P−Pe)  α>0
という式が導かれる。

 

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■労働者錯誤モデル
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 総供給の第二のモデルは「労働者錯誤モデル」である。

 

 労働者錯誤モデルでは、労働者が「実質賃金」と「名目賃金」を
ごっちゃにして考える、、、という仮定をおく。

 

 もちろんインフレがひどくて一年間に五割もインフレが起これば、
実質賃金と名目賃金のズレは誰の目にも明らかだから、これらをご
っちゃにして考えるのは「一時的に」である。

 

 さて前回も述べたように、労働者の需要量Ldは質賃金W/Pに依
存する。

 

 W/Pが大きければ労働者を多く雇うことができないから需要量
は減る。逆にW/Pが小さければたくさん雇うことができる。

 

 すなわちLdはW/Pと逆相関関係にあることになる。

 

  ∴ Ld=L(W/P)

 

 一方労働供給Lsの方は、名目賃金Wによって決まる。

 

 もちろん物価水準が大きく変動している場合は「実質賃金らしき
名目賃金W/Pe」に依存する。

 

 W/Peが高ければ働きたいと思う労働者は多いし、逆にW/Peが
低ければ、働きたくない労働者が増える。

 

 つまりLsはW/Peに対して順相関関係にある。

 

  ∴ Ls=L(W/Pe)

 

 ただこのモデルのミソは、労働者が実質賃金ではなく、
「期待する物価水準Pe」
を基準とした賃金によって自らの行動を決定する、、ということで
ある。

 

 そしてもし労働者が物価水準PとPeとの間に大きな開きが出たに
も関わらず「それに気づかない」としたら、どうなるか?

 

 もし物価水準Pが上昇しているせいで名目賃金Wが上昇したにも
関わらず労働者がそれに気づかないとしたら、、、、

 

 → Ls曲線は右にシフトし、労働供給量Lsは増える!

 

 W/P
  ↑  →
  | \ \    /Ls 
  |  \ \  /
  |   \ \/
  |    \/\
  |    /\ \
  |   /  \ \
  |      Ld → Ld’
 0 ―――――――――――L(労働)

 

 この結果、生産量が増大する、、というのが「労働者錯誤モデル」
である。

 

 生産は価格(物価水準)Pが期待水準Peから乖離すると、自然率
より乖離する。

 

 この労働者錯誤モデルは、ミルトン=フリードマンのモデルである。

 

 

(つづく)
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          今週のおたより

 

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 またまた登場。岐阜の加藤です。郡上経済学研究所も、4月を迎
えて「総供給」を読み始めました。
 そこで、みちもとさんの疑問等に若干ですが、お答えしましょう。
 その前に、気になったのが「スティッキー・ウエッジ・モデル」
というタイトルです。
 この中の「ウエッジ」という英語ですが、日本語では「賃金」で
あることは言うまでもないですが、「ウエッジ」という発音の表記
には異議ありです。「ウエッジ」ではなく、「ウエイジ」ではない
でしょうか?
 英語の辞書の発音記号で、「wage」は「weid・・」とな
っていると思うのですが・・・。
 それと、最後の部分で

 

>「テキストを見ると具体的な関係式が出てこないからハッキリは
>分からないけど、たぶん生産関数は対数関数で表現されているん
>やろうな、、、それともコブ=ダグラス関数やろか?」

 

という疑問を投げかけておられましたが、生産関数自体は、単純な
マクロ生産関数で、生産要素が労働数量Lにのみ依存していると考
えるべきではないでしょうか。
 つまり、モデルを簡略化するために、資本数量とか土地という他
の生産要素を捨象したと考えるのではないでしょうか?それと、マ
クロ生産関数は当然のごとく、限界生産力逓減の法則(収穫逓減の
法則)が働きますので、テキストのようなグラフとなります。
 ちなみに次の「労働者錯誤モデル」あるいは「労働者錯覚モデル」
では、労働者が何を錯覚するのか?
 答えは、名目賃金と実質賃金を錯覚するということです。ただし、
この重要な概念は考えれば、考えるほど訳が分からなくなる部分で
す。果たして、労働者が名目賃金と実質賃金を意識するのでしょう
か?
 テキストを読んだだけでは、良く判断できない部分です。
 後半では、フィリップス曲線と新しいケインジアンの経済学を言
及しますが、この当たりはほとんどニューケインジアンであるマン

キューの真骨頂ではないでしょうか?すなわちマンキューが最も得
意とする部分です。メニュー・コスト理論の説明は、マンキューの
経済学では何度も何度も出てくるし、
 マンキューが一番世界的に知られている研究分野なので、この部
分は、個人的に必読だと思います。

 

 

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※ どうも加藤さん、いつもありがとうございます。
 ウエイジはそうかも知れませんねえ、、めんどくさいのでそのま
まにしておくことにしますが、、 お便りありがとうございました。

 

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