自給率が下がったのは、自民党のせい。
戦後の日本農政は、米作り偏重だった。
これは地方を支持母体とする自民党が、政権にずっと居続けたからである。
自民党は、地方の農家を支持母体にしていたので、日本農業よりも農家を守る政策に力を入れた。
だから食糧自給率なんて、実はどうでも良かったわけである。
自給率を上げるには、零細農家をなくして経営母体のしっかりした組織で穀物生産することが必要だったのだが、それは支持母体である農家の数が減ると言うことを意味する。
なので政権党であった自民党は、食糧自給率を捨てて、農家保護に邁進した。
その結果、食糧自給率はドンドン下がったという話である。
そして食糧供給に責任を持たなければいけないハズの農林水産省も、実は自給率なんてどうでも良かったわけである。
なぜかというと、自給率が下がっても予算が削られない。
それなら自給率を上げる必要などなかったからである。
食糧の自給率が3割しかないなら、農林水産省の予算も3割まで削って良いはずである。
だって3割しか作ってないわけであるから、そんなに予算など必要ないんだし。
自給率を上げるには農水省の予算を減らせばよい
だけど「食糧安保」だとか、自給率は大事だとか言うことをネタにして、農林水産省はずっと予算を獲得し続けてきた。
食糧を確保するための予算だとか、自給率を上げるための予算だとかいって、国民からお金を取れるだけ取ってきた。
食糧自給率が下がったと言って大騒ぎして、さんざん税金を使ってきた。
しかし自給率が下がっても予算が削られないなら、自給率を本気で上げようと言うインセンティブなんて、どこにもありはしない。
逆に自給率が下がった方が、農林水産省にとっては有り難いわけである。
これで自給率が上がるわけがないだろう。
だから食糧自給率を上げる一番簡単な方法は、簡単である。
いままで自給率をネタに予算を獲得してきたくせに、自給率を上げられなかった農林水産省の予算と権限を削ればいい。
食糧の確保は国家的課題であり、安全保障の問題であるから、食糧の輸入は国家戦略局で行うことにすればよい。
輸入食糧の検査は厚生労働省か消費者省でやればいいし、輸入交渉などは外国との交渉であるから、外務省や通産省から役人を借りてくればよい。
農林水産省の仕事は、国内での農産物生産に特化すれば、自給率を上げることに知恵を絞るはずである。
公務員には予算ではなく、知恵を使うようなインセンティブを与えないと、国民の利益など無視されるからね。