テーアと近代農学の確立

農業革命に大きな貢献をした学者を三人挙げろと言われれば、それはテーアとチューネンとリービッヒである。

 

近代農業というのはこの三人の研究を基礎として発展してきた。

 

だから知らなければ農業経済学では「モグリ」だと言うことらしい。

 

大学のとある教官が授業でそう言っていた。

 

テーアはドイツの医者。

 

チューネンはその弟子。

 

リービッヒは窒素・カリ・リン酸が農業生産を向上させる三大肥料であるということを発見した学者である。

 

さて今も述べたが、テーアはドイツに住む医者であった。

 

当時のドイツは宗教的には先進国であったが、政治的・経済的にはやや遅れをとっていた。

 

何しろ全ドイツが統一されたのは明治維新のたった二年前で、そのころのドイツはまだドイツ諸国の連合体として存在していただけだった。

 

つまりその頃のドイツはまだ中世から完全に抜け出ていない、前近代的な農村国だったのだ。

 


だからテーアはイギリスで起こった産業革命に、非常に大きな関心を寄せた。

 

そして自国の遅れた農業のやり方を振り返り「これではいけない」と考え農業を近代化しようと考えた。

 

確かにそれまでの農業は丼勘定の農業であった。

 

春になれば○○を蒔き、秋になれば××を蒔き、三年に一度は土地を休ませる。

 

そういう十二世紀以来の三圃式農業をただ繰り返し、豊作であろうと凶作であろうと人々は何も考えず農業を行っていただけだった。

 

農村の人間は自分のムラの農業のやり方しか知らず、客観的にそれを分析したり、安定的に生産したりすると言う努力をしなかった。

 

農業生産の安定化に興味のあるのは土地を納めている領主や国王のみであって、実際に田畑を耕す農民はただただ毎日を繰り返しているだけであった。

 

だがテーアはヨーロッパのそれまでの丼勘定的な農業を改め、産業時代に適応した農業、つまり簿記や土壌研究などの農業教育を農民に施すことによって地力均衡型で永続生産や安定性の伴った高収益の農業をすべきだと考えた。

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