一秒でも長く顧客を楽しませる

一秒でも長く顧客を楽しませる

さらば価格競争。コモディティ化の罠から抜け出せ!―コモディティ、製品、サービスに続く、第四の経済価値「経験」

エクスペリエンスな企業は一秒でも長く顧客を楽しませる。

経験価値を売ることに成功している企業は、顧客を日常とは異なる「場」に引き込むことに工夫をしている。

 

たとえばディズニーランドやユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は、間近の駅を降りたところから少しずつ「それっぽく」なってくる。

 

ディズニーランドなら、シャトルバスの発着場あたりはまだ少し殺伐としているが、少し遠くに目をやるとなんとなくディズニーの雰囲気が見える。

 

駅を降りた左側にある「イクスピアリ」というショッピングモールも、ディズニーそのもののデザインではない、がどこかしらそういう雰囲気を漂わせたつくりになっている。

 

USJも駅に到着したあたりでは無粋な道案内人が、何かがなり立てていてまだ大阪丸出しの雰囲気だが、少し行くとアメリカン・テイストを漂わせたショッピングモールが現れて、いよいよUSJに近づいてきたぞという雰囲気を高めてくれる。

 

その道をまっすぐ行くと「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」という、おなじみの地球儀の回っているエントランスに一直線に着く。

 

「USJ以外の他の目的地には到着しない」というところがミソである。

 

なぜならUSJへ向かうお客さんは、その先にあるUSJという「場」の中に入るだけのために歩く。

 

歩きながら、どんどん期待に胸をふくらませる。

 

「今日はあれを見よう。

 

今日はあれをしよう。

 

あれに乗って、あれを買おう」そういうプランを立てながら道を歩く。

 


一度だけでは得られない品揃えも、楽しみを生む

経験ステージャーは顧客がゲートへ向かう道を歩く間に、胸に抱いている期待や楽しみを盛り下げることなく、二の矢・三の矢とも言うべき他のエクスペリエンスも用意してあることをそれとなく提示する。

 

もちろん一日ではとても全部回れないというのもミソである。

 

たとえばショッピングでも「今日はあれを買おう」「次はこれを買おう」という風な楽しみ方もできるが、それは使えるお金が買いたいモノの代金合計より少ないからである。

 

今はこれだけしか買えないから、これを買う。

 

でも次にお金ができたらあれも買おう。

 

でもって、その次にはあっちのバッグ、そういう楽しみである。

 

それと同様にディズニーランドやUSJのアトラクションは、一日や二日で全部のアトラクションを体験できないような仕組みになっている。

 

一日ではこれだけしか体験できないから、これだけを楽しむ。

 

で、次に暇ができたらあっちも見てみよう。

 

そしてその次にはこっち、そういう楽しみ方。

 

顧客は道を歩きながら、ワクワク感を学習し経験する。

 

楽しむ前にワクワクし、楽しんだ後に余韻に浸る時間が長ければ長いほど、リ・ビジット回数は増えてくる。

 

そして名前を聞くだけで、そこへ行った時の様々な思い出や楽しかった経験をすぐに思い出せるようになる。

 

身体が熱くなり、心がウキウキするようになる。

 

パブロフの犬みたいに呼び鈴を鳴らすだけで胃液が分泌されるような条件反射ができあがる。

 

「楽しさ」の習慣付けである。

 

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