顧客が望むときに、望むだけのモノを

企業はよく商品を多様化させて売り出す。

 

パッケージの大きさを変えたり、香りのバリエーションを付けたり、材料の質を変えて最高級・高級・上級・並といった価格差のある商品を作ったり。

 

企業がこのような戦略をとるのは、「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」ということらしい。

 

そうして多様化して市場に出したうちの、どれか一つの商品がヒットすれば、それを大量生産しようと言うアイディアである。

 

だがそれは消費者が大量生産した品物を、喜んで買う時代の戦略であり、個客それぞれが自分の欲しい物にしか喜んで財布を開かない時代には通用しない。

 

というのも企業が商品を多様化すればするほど、市場には数え切れないほどの商品が溢れることになる。

 

となると顧客は自分にあった商品を探すだけで一苦労となる。

 

商品の多様化は顧客ニーズの多様化によってもたらされたものではなく、下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる式に作ったものだから、個客それぞれのニーズに合った商品が作られているわけでもなく、またそれを欲しい個客にちゃんと届けられるわけでもない。

 

だから個客は市場に他種類の商品が投入されても、その山のような商品群を目の前にして辟易するだけである。

 

個客は山ほどある商品の中から、自分にあった商品を選ぶという重労働を望んでいるわけではない。

 

ただ「自分の欲しい商品を買いたいだけ」なのである。

 

だから多様化は、一見顧客のニーズにあった商品を提供する一つの手段のように錯覚しがちだが、マス・カスタマイゼーションとは全く異なる概念である。

 

というのもカスタマイゼーションとは、あくまで個客それぞれにデザインされるモノだからであるし、マス・カスタマイゼーションとは、それをさらに効率化して行うための技術だからである。

 

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