スーパーだって入場料

スーパーだって入場料

さらば価格競争。コモディティ化の罠から抜け出せ!―コモディティ、製品、サービスに続く、第四の経済価値「経験」

スーパーだって入場料を取れなくもない

まとまったお金を最初に支払う商売は、
実は珍しくない。

 

遊園地や映画館もそうだが、
バイキング料理や焼き肉の食べ放題、
ケーキバイキングなんていうのも実はそう。

 

最初にコストを支払えば、
あとは好きなだけ満足するまで食ったり飲んだり。

 

オーダーを出すたびに懐具合と相談する苦痛を取り除き、
普段はガマンしていた食欲を解放する。

 

これだって結構充実したエクスペリエンスだ。
僕は子供の頃から貧乏だったので、
親にバイキングに連れて行かれると狂喜乱舞した。

 

普段食えないような食い物や、
食べたことのない食い物を喜んで食った。

 

諸外国の国旗をあしらった、
今にして思えば大したモノではない料理を少しずつ食いまくり、
シャーベットのようなものでも感動した。

 

今だって回転寿司で似たような気分で寿司を食っているが、
これも立派にステージングされた経験(エクスペリエンス)であると言えよう。

 

なんだかんだ言ってもたいていの人間は、
常に懐具合と相談しながら生きている。

 

スーパーやコンビニで買い物する時だって、
本屋で本を買うときだってパチンコ屋でコインを買うときだって、
いつもいつも明日や明後日や
次の給料日までの懐具合を考えながら生きている。

 

そういう日常から一時の間でも、
ディズニーランドやバイキングは解放してくれる。
(E4領域)

 

つまりディズニーランドやバイキングの料金は、
乗り物代や食事の料金ではなく、
娯楽や宴の入場料なのである。

 

人々は乗り物代や食事の料金としてそれを払うわけではない。
祭りや宴の参加料としてそれを払うのだ。

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買いたいモノを気にせず買えるのは快感

そう考えればスーパーだって入場料を取ることができる。

 

実際アメリカのいくつかのショッピング・モールでは、
季節季節に「フェスティバル」と称して入場料を取るイベントを催している。

 

「入るとき5千円払えばバスケットいっぱい買い物できます」
なんてイベントを年に一・二度やれば絶対にお客は来る。

 

数年前にヨーカドーが口火を切って流行った、
スーパーの「消費税還元セール・全品5%引き」の際の熱狂。
あれに似たことが起こるに違いない。

 

日常的に利用するスーパーだって、
そういう脱日常的な経験(エクスペリエンス)を、
顧客に提供できるのだ。

 

「ショービジネスにできないビジネスはない」

 

経験(エクスペリエンス)経済が進めば、
入場料を支払うことが当たり前になる。

 

十数年後には「スーパーとは入場料だけ払って、
バスケットいっぱい欲しいモノを買って帰る商売」になっているかも知れない。

 

少なくとも全国に何カ所は、
そういうスペースができてくるように思う。

 

入場料は取らなくても、100円均一ショップなんていうのも、
財布を開け閉めする苦痛を減らす売り方だろう。

 

そんな風に今、確実に経験(エクスペリエンス)経済は進んでいる。

 

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