顧客は本当は我慢している。だからピッタリの物やサービスに感動する

顧客は本当は我慢している。だからピッタリの物やサービスに感動する

さらば価格競争。コモディティ化の罠から抜け出せ!―コモディティ、製品、サービスに続く、第四の経済価値「経験」

顧客ガマン度こそが顧客満足度の指標

サプライ・チェーンとデマンド・チェーンの違いは何か?

 

それは生産を依頼するのが店舗の店長ではなく、
本当の「個客」であると言うことである。

 

顧客は自社の商品を売りつける「カモ」なのではなく、
商品を発注してくれる大事な「お客様」なのである。

 

サプライ・チェーンは店や倉庫に並べてある商品の
在庫が減ると発注する。

 

新しく発注される商品は今ある商品のみであり、
顧客は店に並んでいる商品や、
インターネットで紹介されている商品のみである。

 

それがまとまったら中国だかベトナムだかの工場で生産し、
日本に送る。

 

ロットがまとまらねば生産しないから個客の要求には応えられないし、
個客のウォンツを読み違えれば大量に売れ残りが生じる。

 

だがデマンド・チェーンの考えではそうではない。

 

店に並べてあるのは言ってみれば「商品見本」であり、
その背後にある顧客それぞれに提供可能な商品やサービスの
バリエーションが「商品」なのである。

 

もちろん商品見本は在庫しておかなければならないが、
ロットがまとまらねば生産しないというわけではない。

 

ウォンツを読んで生産するというわけでもなく、
生産の起点は常に顧客なのである。
どこまで行っても顧客なのである。

 

だから10個だとか100個だとかいった数量でも、
注文があればすぐに生産する体制を整えなければならない。

 

ちょっとしたカスタマイズでも、
ちょっとした無理でもすぐに対応できなければならない。

 

そう言う体制を整えるのがつまり「デマンド・チェーン」の構築なのである。

 

デマンド・チェーンを構築すると、
売れ残りを劇的に減らすことが可能になる。

 

注文されたモノやサービスしか作らないなら、
それは当たり前である。


顧客は本当は我慢している

 

 

ところがここで大きな問題が生じる。

 

顧客が何を欲しがっているか、
それをつかむのが難しい。

 

グリーン色のフリースが欲しいお客さんから注文を受ければ、
それをすぐに作ることはできる。

 

大量なら中国で生産し、
少量なら国内で生産すればよい。

 

がしかしそれが本当に顧客の欲しがっている
グリーン色そのものであるかどうかは、
本当のところよくわからない。

 

顧客の表現力と注文を受けた担当者の理解力、
そこにどうしても差ができる。

 

グリーンといっても幅がある。
ボクなどいつもきれいなグリーンの服が欲しいと思っているが、
どういうわけだか見つけたことがない。

 

だから顧客は多かれ少なかれガマンする。
「これでいいや」と思って買う。

 

顧客自身、自分の欲しいモノがどれか、
本当はよく分かっていない場合もあるから、
注文通りのモノを手にしても「????」。
「これが欲しかったもの?」などという違和感を覚えたりする。

 

だが逆にそれが顧客のまさに欲しかった商品だったとしたらどうなるか?

 

「これこれ!これが欲しかったのよ!有り難う、
ホンマに」そうしてその顧客はまた次に来てくれるし、
注文をくれることになる。

 

つまりそれが「経験(エクスペリエンス)価値」の発生する瞬間なのである。

 

サプライ・チェーンとデマンド・チェーンとでは、
顧客満足度の指標すら異なるのである。

 

サプライ・チェーンでは、
顧客満足度の大小を問題にする。

 

デマンド・チェーンでは、
顧客ガマン度の大小を問題にする。

 

顧客が心ならずも受け取ったものと本当に欲しかったものとのギャップ、
それが小さければ小さいほど顧客満足度が高まり、
そしてそういう商品やサービスを提供できる企業は、
経験価値をも提供できるのである。

 

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