地道に、そして徹底的に顧客ガマン度を下げるしかない。

顧客を店舗や企業に永久に引き留めておくためには、顧客ガマン度をできるだけ下げなければならない。

 

顧客は何も我慢しはしない。

 

する必要もない。

 

より我慢せずにすむ方法を考え、その通りに行動するだけである。

 

ある店で自分の欲しいモノがなく、それを品揃えに加えて欲しいと要望したが、受け入れられなかった。

 

そのような場合その顧客はその店に来ないか、あるいは「言ってもムダ」と考えて要望すら出さなくなる。

 

顧客がその店に来なくなれば、その顧客の買上データは手に入らなくなる。

 

そしてまた顧客が何を求めているかという情報を、何らかの方法で提供しなければ、企業はそれに対応することができないし、顧客ガマン度を下げることもできなくなる。

 

だがしかし最初っから顧客ガマン度を低くして営業を始めたり、商品を提供することはできない。

 

デマンド・チェーンのところでも強弁したが、マス・カスタマイゼーションの第一歩は、「企業が売りたいモノを売るのではなく、お客が買いたいモノやサービスを作って売る」という所にある。

 

あくまでも顧客が商品やサービスの発注者であり、起点なのであるが、顧客はそういう感覚ではない。

 

最初は店や企業が用意した商品やサービスをただ買い、苦情や要望を店員に伝えるだけである。

 

だから最初は顧客ガマン度がどうしても高くなる。

 

これは仕方がない。

 

だがしかし顧客の苦情や要望に地道に応じていけば、時が経つとともに顧客ガマン度を次第に下げることができる。

 


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地道にクレーム対応をすることで得られる企業利益とは

一方、企業は次のような利益を得ることになる。

 

(1)プレミアム(割増)価格: 提供される商品やサービスが個客それぞれのニーズにピッタリするならば、 顧客はより高い金を出してその商品やサービスを買うようになる。

 

(2)ディスカウント率の縮小: ディスカウント価格というのは顧客ガマン度という観点から見ると、顧 客ニーズに合っていない商品を提供することの「つぐない」なのである。

 

顧客ガマン度が低ければ低いほど、その商品はディスカウントせずに売れる。

 

(3)顧客一人当たりの売上高の増加: 競合他社よりその顧客について熟知しているので、顧客はまず第一にその店や企業の商品の中で欲しいモノを探すことになる。

 

そしてついでにどこでも手にはいるような商品も購入することになる。

 

これによって顧客一人当たりの買い上げ単価(客単価)が上がる。

 

(4)顧客獲得コストの低下: 顧客は心地よい買い物体験をすれば、それを口コミで他人に伝える。

 

それによって店や企業はあまり費用を掛けずに新しい顧客を増やすことができ、新規顧客獲得コストを低くすることができる。

 

たとえば週二回ばらまいているチラシを、週一回に減らしても来店者数が減らないならば、その分のコストが要らなくなる。

 

(5)固定客の増加: 固定客は店や企業の収益構造の柱であり、企業に利益をもたらしてくれる大事な優良顧客である。

 

固定顧客が多ければ多いほど企業は利益を確保しやすくなり、経営も安定する。

 

顧客我慢を徹底的に排除した企業は、顧客によりよい購入体験を提供することができ、マスプロで提供される商品やサービスで、日頃から我慢を強いられている顧客をリピーターにすることができるようになる。

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