尖閣列島で中国漁船が
日本の海上保安庁の艦船に体当たりしたとされる事件で、
日中関係や日米関係について、
改めて考えさせられた人も多いのではないでしょうか。
日本に関して言えば、中国という国は
日本にとってどういう存在なのか。
必要不可欠なのか、それとも
つき合わなくてもやっていける存在なのか。
米国に対して、同じ事を考えた場合はどうか、
っていうところが非常に大きいですね。
私もつらつら考えたり調べていたりしたところ、
ある結論に達しました。
その結論とは、
中国を必要としている国というのは、 北朝鮮やカンボジアなどを除いては 世界に一つもないかも知れない
ということです。
こういう結論に至った理由は簡単で、
・中国の経済成長が、
先進諸国や韓国・台湾などの外部からの投資によって
支えられているという話を前回書きましたが、
中国によって支えられている先進国や中進国はない。
(資源外交として投資している国はありますが)
・中国は穀物をほとんど輸出していない。
(国土は広大ですが、農業に適した土地は少ない)
→日本が輸入しているのは、ほとんど野菜や根菜です。
日本の穀物の輸入元は、米国・オーストラリア・ブラジルなど
野菜に関しては、野菜工場が実用化されていますし
根菜に関しても、工場化の実験が進んでいるようです。
・中国は、レアアース以外の資源をほとんど輸出していない。
(石油は殆ど出ませんし、石炭も品質が悪くて使えない)
→中国はエネルギー資源を輸出できないので、
エネルギー外交もできない。
エネルギーが確保できなければ、長期にわたる戦争もできない。
(日本が太平洋戦争で連合軍に敗北した理由と同じですね)
またレアアースで中国が97%もシェアを握っているのは、
精製するのに莫大なコストがかかるため、
中国以外の鉱山が閉鎖されてしまっているだけだそうです。
中国の人件費や環境維持費が増大すると、
当然、諸外国でも採算に乗るようになるので、切り札にはならない。
ロシアは石油大国ですが、アジア向けの石油のパイプラインは
中国の強い要望にもかかわらず、中国を避けて引かれる計画です。
(ロシアは本音では中国を信用していないようです)
なので中国は中央アジア経由で石油のパイプラインを建設中です。
・中国は、戦争を起こしたときに支援してもらえる国を持たない。
→先進国で中国と軍事同盟を結びたい国は、今のところないようです。
イランなんかは可能性があるんでしょうが、自国を守るのに必死で、
中国が紛争を起こしても支援できないでしょう。
逆に尖閣列島付近で中国と台湾、中国と日本の軍事衝突が起ったら、
米国は「今こそ米国の軍事技術を世界に見せるとき」ということで、
台湾や日本を支援する可能性が高いですね。
軍事同盟を結んでいる国の有事に、その国を全く支援しなかったら、
米国軍が世界各地に軍事力を展開している「正当性」がなくなりますし。
もちろん、全面戦争をするつもりはないでしょうが。
ということで、色々調べてみるに付け、
中国という国は、実は世界からかなり孤立している
ってことが分かります。
要するに、お金だけのつきあいって事で、
金の切れ目が縁の切れ目ってことですね。
日本は、長期的に見れば、中国と別につき合う必要はない。
一方、中国は日本との貿易で毎年2兆円稼いでいるし、
格安で技術供与や円借款を受け続けているので、
ビジネスパートナーとしては手放せない。
日本の方が、全然有利な立場にいるんだって事は、
覚えておいても良いことでしょう。
もう少しそれを強調して言えばいいんでしょうが、
その辺が日本の外交ベタのゆえんかも知れませんね。
自由主義国では利害関係が複雑だし、
それで株価が大きく動いたりするので、
遠慮があるのかも知れませんが。
今回も、勉強法とはちょっと違う話になってしまいましたが
日中関係は、日米関係や日欧関係と比べて、全然重要じゃないんだ、
、っていうことを再認識するのは大事な視点です。
日本は中国から、資源も穀物も輸入していない。
これだけでも覚えておいてくださいね。
Pre >
中国の経済発展は2020年でおわる。
Next >
11月からの勉強法