穀物自給率25%の日本にとって、辛い時代が始ったようです。
日本では去年の4月から猛烈な円高になっているので、
あまり大きな問題になっていませんが、
ここのところ、原油価格の急騰や
食料価格の急騰しています。
どうやらこれから世界的な食糧難の時代が来そうです。
オックスファムが17か国の
1万6421人を対象に行った調査では、
過去2年間に食生活が変わったとの回答が、
回答者の半数を超える53%に上った。
このうち39%が食料価格の高騰を、
その理由に挙げている。食生活が変化した割合が最も高かったのは76%のケニアで、
2番目は南アフリカの69%だった。
ケニアでは、食生活を変えたと答えた回答者の79%が
食料価格の高騰が原因と答えている。食生活の変化は欧米諸国でも見られた。
米国では55%が2年前とは異なる食料を食べていると答え、
31%が食料の値上げを理由としている。
簡単に言うと、世界レベルで
食糧の高騰が始ったという話ですね。
原因には二つあって、
一つは中国やインドをはじめとする人口爆発国の増加。
インドの場合は、前にも書きましたが、
食糧の自給率が非常に高くて輸入は少ないんですが、
中国の場合はもう穀物の大輸入国になっている。
15年以上前に、アメリカのレスター・ブラウンが
「誰が中国を養うのか?」という本を出したんですが、
その本には確か、中国が近い将来、
穀物の大輸入国になるが、そうしたらどうする?
...っていう話があったように思います。
で、レスター・ブラウンと親交のあった嘉田教授が
中国は広いけれど、農業に適した土地が少ないし、
水資源に関する認識も甘くて
黄河も上流は干上がっているので、
たぶんそうなる...なんて事を言っていて、
中国がどう動くかなとずっと思っていたんですが、
中国は貿易で稼いで穀物を輸入する、
そのために世界中で農地を
買いあさるという事をやりはじめました。
ランドラッシュ・世界農地争奪戦
ところが穀物を確保しようとして
外国の農地を買いあさっているのはは、
中国だけじゃなくて、中東諸国や韓国もそうですし、
その他の中進国もそうなんです。
そして農地を買い漁られた農業国では、
国内の農産物価格が上がり始め、
それによって国民の不満が高まりつつあります。
マダガスカルなどでは、
韓国企業に農地を売る是非で、
政権交代が起こりました。
さらにアフリカなども
経済発展し始めている国が多く、
人口爆発もまもなく始りそうな様子で、
世界人口は2050年には90億人、
2100年には100億人以上になるという予想ですから
原油の需要も穀物需要も増えこそすれ減ることはない。
その一方、ここ数年で、
穀物の大輸出国であるロシアやオーストラリアが
大きな干ばつに襲われて、輸出が危うい状態です。
100年に一度と呼ばれるくらいの干ばつが、
なぜか毎年、世界のどこかで起こっていて、
それによって穀物供給量が大きく変動しています。
さらに土壌劣化・エロージョンも進んでいますし、
水資源の確保もなかなか進まず、
耕地面積は開発している割りには増えていない。
日本でも、津波の被害(塩害)や原発事故で、
今年は東北で米作りが難しくなっていますが、
いくらお金を出しても、穀物が輸入できない時代が、
もうすぐそこに迫っていると言うことは、
知っておいた方がイイでしょうね。
Pre >
揚水発電は、発電じゃありません。
Next >
放射能なんか、毎日みんな食べてます