難問題の系統とその解き方物理1B・2
この本は、物理の参考書としては「古典的名著」と呼ばれている本です。
この本を書いた服部嗣雄先生は、京大の物理学科を卒業された方で、二十数年前は肩先まであるウエーブ・ヘアをなびかせて、背筋を伸ばしてカツカツ歩いていらっしゃいました。
[こんな問題、解けなかったら、アホですよ!」
「京大の物理なんか、満点取れる問題ですよ!」
ノーベル物理学賞を取った、江崎玲於奈の弟と京大で同期だったという服部先生は、そんなことを言いながら、長い髪を黒板のチョークでいつも真っ白にしていらっしゃいました。
そんな服部先生の言葉を真に受けて、ボクは京大を目指したのですが、この本は、先生の授業とセットで使うと非常に役に立つ本です。
でもしかし、この本だけで物理を勉強するのは、かなり難しいかと思います。
その理由の第一は、微積分学とベクトルと三角関数と、近似のテクニックをそこそこ理解している学生でなければ、説明がよくわからないだろうこと。
もう一つは、問題数が多く、文字が小さく、読みにくいこと。
さらに言えば、難問題ばかりで、また問題数が多いので、途中でたいてい挫折すること。
しかし難関大学の物理を受験するなら、一冊お守りとして本棚に飾っておいてもいいかもしれません。
苦手な分野のページを見てみると、万が一に理解できるかも知れませんし。
私としては、橋元本をやってから、名門の森等を経てこちらをやるのがお薦めです。