農薬で鮭が戻ってこない。

先進国の農業は「集約的農業」だ。

 

集約的農業というのは、肥料や農薬をたくさん使って、一つの農地からたくさんの作物を大量生産するというやり方だ。

 

昭和時代には朝日農業賞という、朝日新聞主催の表彰があって、一時期、稲作の反収競争みたいなのもやっていたように思う。

 

稲作の場合、途上国では1ヘクタール当たり2トンくらいの収量になるのだが、100アール当たり600キロ前後(ヘクタール当たり6トン)も収穫したような話があり、よく表彰されていたりした。

 

つまり普通の状態では2トンしか採れない作物を、色んな技術と大量の農業資材を投入することで、3倍近くも収量を上げるのが集約的農業のやり方である。

 

ところがこの集約的農業のせいで先進国の国土は汚れ放題になった

 

特に日本は一時期、韓国やスイスなどとならんで、世界一農薬や肥料を使う国であったので、大量の化学肥料と農薬が国土にばらまかれた。

 

さらに使わなくなった重金属を含む危険な農薬などは、地面を掘ってコンクリートの入れ物を作って、そこに埋めて処分したりもした。

 

中国の高速鉄道事故で、中国の鉄道省が事故車両を地面にすぐに埋めてしまって中国というのはなんて国なんだろうねとブログでもよく書かれていたが、、ヤバいモノは地面に埋めてしまえば良いというのは、日本でも同じだったらしい。

 

その結果、河川には田畑に撒かれた大量の肥料や農薬、そして牛や豚の糞尿などが流出したため、北海道などでは鮭やマスが戻ってこなくなったりした。

 

戻って来ようにも水が汚く、殺虫剤や除草剤まみれだったから、戻って来れなくなったと言うことらしい。

 



地下水に硝酸態窒素が混入して赤ん坊が…

一方、日本と同じく集約的な農業をしていたヨーロッパでは、日本よりひどいことが起こっていた。

 

というのもある時、地下水が硝酸態窒素(しょうさんたいちっそ)で汚染されてしまったのだ。

 

NOxなんていう酸性雨の原因物質にもなるのが地下水に混入し、それを飲んだ赤ちゃんが青ちゃん(紫色)になってバタバタと倒れてしまったからエライ騒ぎになった。

 

人体にNOxなんて入れば大変だ。

 

NOxは化学でも習ったとおり強力な酸性物質なのである。

 

身体はそんなモノに居られてはたまらないから、体内にある窒素はすぐにこれを尿素に変換しておしっことして体外に出そうとする。

 

タンパク質には必ず窒素が含まれているが、肉を喰うと窒素が増えすぎるため、じゃんじゃんオシッコにして出そうとする。

 

だからそんなモノが飲み水に混ざると大変だ。

 

身体のあちこちで反応して、どんどん酸化が始まってしまう。

 

赤血球の酸素と二酸化炭素の交換が疎外され、乳幼児がチアノーゼ(酸欠)状態になり「青く」なってしまうわけだ。

 

これをメトヘモグロビン血症と呼ぶが、これは大変とばかりに原因を調べてみると、その窒素源はなんと農業で使われる肥料や家畜の糞尿に含まれる窒素であった

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